首を伸ばしたり縮めたり
疫病払い「牛鬼の練り」
愛媛・今治市の「菊間祭り」
愛媛県今治市菊間町で10月17日、菊間祭りが行われました。菊間祭りでは、馬に乗った小中学生が加茂神社の参道を駆け抜ける「お供馬の走り込み」が有名ですが、「牛鬼の練り」も見ものです。
牛鬼は、西日本に伝わる妖怪で、頭が牛で鬼の胴をもち、海岸に現れて人間を襲うといわれます。宇和島地方では祭りの主役ですが、東予地方では菊間町だけに残り、北限になっています。菊間牛鬼は長さが約8メートル、首は約4メートルあり、首を伸ばしたり縮めたりしながら練り歩き、邪気を払います。当地に残る伝承では、疫病退散を願って始めたもので、牛鬼を出さなかったとき疫病がまん延したので、それ以降は途絶えることなく続いているそうです。
見物客は「菊間の祭りは、お供馬、御輿(みこし)、牛鬼などが出てにぎやかですね」「牛鬼は宇和島のものかと思っていたけれど、菊間にもいたんですね」などと楽しそうでしたが、担ぎ手を務めた男性は「牛の頭を押し上げるのに重たくて疲れた」と話していました。
(愛媛・今治市菊間農民組合 大道法幸)
(新聞「農民」2010.11.8付)
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