「農民」記事データベース20101101-947-10

旬の味


 稲の収穫が終わることを、この地方では“蝗(いなご)ばたき”という。その蝗が、今年は例年になく少なかった。赤とんぼも飛ばなかった。すべて異常気象のせいである。高温障害によって、平坦地の稲は反収350キロという大減収だ。しかも“乳白”などが出て1等米がきわめて少ない▼それなのに農水省の作柄調査では、なぜか“良”とされ、米価はついに60キロあたり8000円になった。生産費の半分にも満たない米価に、4割の減収、品質低下というトリプルパンチで、稲作農家はいま、深刻な冬を迎えようとしている▼規制緩和によって、農協の組合員が対象の大型融資が、保証人による担保ではなく、保証機構への保険料の上乗せで担保される仕組みに変わった。返済が滞れば、有無を言わさず競売にかける。その結果、軒並み返済不能が発生しているのだ▼戸別所得補償どころの話ではない。それをだれよりも知っているのが農協である。もはや、“農民連”との共闘なしに農協と農民を救う展望はない。

(新)

(新聞「農民」2010.11.1付)
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2010年11月

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