「農民」記事データベース20070924-797-16

農民連青年部が学習交流会

農業と消費者との交流テーマに

自然豊かな岡山・蒜山高原

 農民連青年部の夏の学習交流会が、八月三十一日から二日間の日程で開かれ、五十六人が参加しました。開催地は、中国地方初の岡山県真庭市蒜山(ひるぜん)高原。チビッ子連れの夫婦や大豆畑トラスト、農業ボランティアに参加する消費者など多彩な顔ぶれで、にぎやかに交流しました。


参加者も多彩な顔ぶれ

 会場の「ひるぜんジャージーランド」はジャージー牛二千四百頭分の牛乳の加工・販売を一手に担う蒜山酪農農協の交流施設です。全体会のスタートは、「農業と消費者との交流」をテーマにしたシンポジウム。パネリストは、蒜山酪農職員の石倉健一さんのほか、農民連食品分析センターの八田純人さん、岡山市立豊小学校栄養士の近藤明美さんです。

 「酪農イキイキ作戦」と名づけ

 石倉さんは、蒜山酪農が取り組む消費者との交流について報告。「ジャージー酪農にこだわりを持ち、生乳や畜産物を直接加工・販売してきた」と述べ、「酪農イキイキ作戦」と名づけて、「消費者に酪農の現場を感じてもらいたい」と交流に取り組んできた経過を発言しました。

 分析センターの八田さんは、果汁二〇%の“オレンジ味清涼飲料水”を作る実験などを実演。「農家は自信を持って、まじめに作っている農産物の良さをアピールしていこう」と呼びかけました。

 栄養士の近藤さんは、「作り手の顔が見える給食、作り手の思いが届く給食」をスローガンに、地元の農産物を取り入れて、食育に取り組んでいることを発言。子どもたちに生産者の顔が見えることで、食べ残しが減ったことや、子どもたちの声が生産者への励ましにもなっていることを紹介しました。 

 学んだ、感動した、楽しんだ

 参加者の大きな感動を呼んだのが、夜に行われた元東葛看護専門学校校長の三上満さんの特別講演です。テーマは「人間形成と農―宮沢賢治にもふれながら」。三上さんは、米作りなど農業を教育に取り入れた経験を楽しく紹介しながら、「農のこころ」をもつ生産者的な人格形成の大切さを言葉豊かに語り、大きな拍手がわきました。

 二日目は、岡山県が行っている就農支援制度を学んだ後、(1)野菜、(2)稲作、(3)酪農、(4)和紙すき、(5)自然探索に分かれてのコース別見学。

 野菜コースでは、新規就農したトマト農家の山崎樹一郎さんと、ナスを栽培する大塚雅史さんの畑を見学しました。野菜農家同士、「害虫対策は?」「施肥の方法は?」など、栽培技術の話が尽きませんでした。


同世代と話し合えよかった

 津島美琴さん(京都府立大学三年生)

 香川県農民連の植村農園で農業体験したつながりで、もっと農業の現場を知りたいと思い参加しました。植村農園では、家族経営のおもしろさ、たいへんさを学びました。同世代の農業青年の話が聞けてよかったです。

 吉国丈志さん(養鶏・山口県岩国市)

 新規就農して四年。国産小麦を飼料にした地鶏(じどり)の卵づくりにこだわっています。当初は売り先など苦労もありましたが、なんとか軌道に乗ることができました。同世代の違う作目の農家と出会えて、面白かったです。

(新聞「農民」2007.9.24付)
ライン

2007年9月

農民運動全国連合会(略称:農民連)
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224

本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
Copyright(c)1998-2007, 農民運動全国連合会