「農民」記事データベース20070917-796-10

旬の味


 いま豆腐屋さんは、アメリカ産原料大豆の価格高騰でたいへんだという▼もともと大豆は、東南アジア特産の作物で、アメリカが大豆の大産地になったのは、一八七三年五月にウィーンで開かれた万国博覧会に日本が大豆を出品したことによる。この大豆は小麦生産国に大きな刺激を与え、一世紀もかからずに世界屈指の大豆産地になった▼しかし日本は、中国大豆にねらいをつけ、国内生産をおざなりにしてきた。政府が米の減反を打ち出したとき、代替作物として大豆もあげられたが、実態は無残なものだった▼日本型食生活もアメリカの大豆によって成り立っているのが現状だが、いまエコ燃料志向の中で、作付けがトウモロコシの拡大に向き、大豆の在庫も減少している。それが価格高騰を呼び、投機の対象にもされている▼国民の胃袋を外国に預けた結果のツケだ。参議院選挙で、農産物の全面自由化をとなえる政党が多数を得た。消費者ともにその動向を監視し、胃袋を守る戦列を大きくしていこう。

(実)

(新聞「農民」2007.9.17付)
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2007年9月

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