「農民」記事データベース20070917-796-09

静岡県藤枝市の杵塚歩さんの茶畑

私たちも農業体験したヨ

日独の青年が農業ボランティア


ドイツの青年 若者ががんばっているのをみて驚いた

横浜市のOL 地域の温かいつながり・交流感じた

 二人の青年が夏休みを利用して、静岡県藤枝市のお茶農家、杵塚歩さんの茶畑で農業体験をしました。八月十六日から十九日まで滞在し、農作業を手伝いました。初めて農業にふれてみた二人の思いは…。

 ボランティアの二人は、前川幸子さん(25)=仮名、横浜市在住=と、ドイツ人のアンドレアス・ヒンツマンさん(25)。前川さんは、電気機器メーカーに勤めるOL。学生時代から「生きていく上でもっとも大切な食を担う農業」に関心はあったものの、“関心”のままで終わっていたので、実際にかかわってみて、農業への思いを感じ取りたいと応募しました。

 前川さんの妹は岩手の酪農家で働いています。「妹が従事している農業とは何かを知り、都会にはない、地域の人々同士の交流や温かさにもふれてみたい」。志望動機ははっきりしていました。

 前川さんの友人で、アーヘンの大学で物理学を専攻するヒンツマンさんは、一年間東京での留学経験があります。そのときに日本の生活や文化に触れ、日本文化の一つである農業を学びたいと思ったことが志望のきっかけです。「祖父母はドイツで農業をしていたが、農業では生活が成り立たなくなってしまったために、やめてしまった。ドイツも日本のように農業に従事する若者が少ない」と現状を嘆きます。

 草取りなどを中心に汗を流した二人は無事、四日間のボランティア体験を終えました。予想以上に大変な作業でしたが、楽しみながら農業を堪能しました。

 前川さんは「汗をいっぱいかいたあとの食事は最高においしかった。東京では、アパートの隣人でさえ知らないほどなのに、田舎には地域の人々の温かいつながりがあることに気づいた。仕事や人間関係などで悩みを抱えている人が多いので、農業で汗を流して解消してもらいたい。次回はもっと多くの友人を連れて参加したい」と語ります。

 ヒンツマンさんは「農業をする人のイメージが高齢者だったので、若い人が農業をやっているのを見て驚いた。農作業は大変だったけれど、東京にはない日本の一面を見ることができてよかった。都市の人々と比べて、田舎の人はリラックスしていると感じた」と話していました。

(新聞「農民」2007.9.17付)
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2007年9月

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