群馬の農家
心待ちしていた麦代金の精算
あまりの安さに大ショック
一俵(60キロ)当たりわずか1100円(手取り)
まき付け資材費にもならない
麦代金の精算を心待ちにしていた群馬県内の生産農家は、麦代金のあまりの安さと、入金が遅れて来年の十二月まで支払われない見込みの上に、追加の負担金か借り入れが必要になるとのことで、大きなショックを受けています。
八月二日、集落営農組合の役員やJA職員など関係者を集めて、県の担い手支援協議会主催の第一回集落営農塾(研修会)が開かれ、次のことが明らかになったからです。八月に支払い予定の麦代金は、手数料などの出荷経費を差し引くとなんと一俵(60キロ)当たり千百円しかなく、これでは種子や肥料、除草代といったまき付け時の資材費にもなりません。十二月には、品目横断対策の「緑ゲタ」と呼ばれる交付金が十アール当たり約三万円出る予定ですが、ライスセンターの使用料や共済掛け金、ナラシ対策の積立金、この秋のまき付け資材費などにはとても足りず、営農組合の組合員から追加の集金が必要になる事態です。生産農家に支払い可能となるのは来年の十二月で、それも十アールあたり約二万円にしかなりません。
集落営農で二十ヘクタール経営しても、二年分で四百万円あまりの収入では、機械の費用や人件費は到底まかなえない計算。しかも、品目横断対策で集落営農を立ち上げるために、麦の作付け実績がない農地を取り込んで二十ヘクタール以上にした場合には、「緑ゲタ」の交付金が少なく、いっそうの困難を抱えることになります。
こうした説明に、参加者から「これでは麦づくりはやっていけない」と品目横断対策に怒りの声が出され、価格決定のありかたや交付時期の改善、過去実績のない農地への対策などを求める意見が相次ぎました。
(群馬西毛農民連 木村一彦)
◇訂正 9月24日号にて、以下の訂正がありました。
九月十日付2面、「心待ちしていた麦代金の精算」の記事で、「10アール当たりわずか千百円」を「一俵(60キロ)当たり」に訂正します。
2007年10月1日、訂正しました。
(新聞「農民」2007.9.10付)
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