連作障害を防ぐには?
落ち葉堆肥作りの留意点は?
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農の会 有機栽培テーマに現地学習会
農民連に団体加盟している「農の会」(会長・柳下登氏)は、八月二十五、二十六の両日、静岡県伊豆の国市にあるNPO法人MOA自然農法文化事業団の大仁農場を会場に、現地研究会を開き約二十人が参加しました。(写真〈写真はありません〉)
MOA自然農法の実践・研究農場である大仁農場は、土の力を発揮させるために、周辺山野を活用した落ち葉堆肥(たいひ)や刈り草被覆(ひふく)の野菜や果樹づくり、低投入型のお茶栽培、有機栽培に適したサトイモやサツマイモの品種開発、安定した連作体系作りといった研究を行っています。参加者は、「連作障害を防ぐには、どうすればいいのか」「落ち葉堆肥作りの留意点は?」など質問しながら「身近な自然を活用した有機栽培」をテーマに、環境科学総合研究所の木嶋利男さんの案内で、熱心に見学。
その後の検討会では、「現場でもっとも役立つ技術は、現場で作り出すことが一番。個人の技術や考えには限界があるが、共同による解決方法には無限の力がある」との立場から、「農の現場からの第一歩を考える」というテーマで報告が行われました。
このうち、船橋農産物供給センターの石神孝行さんは、長年の連作で根腐病が多発していることや「スイカのあとに抑制栽培としてトマトを入れているが、この組み合わせはいい結果を出している」など、作付け体系や現状の問題点を報告。野菜の本来持っている特性を生かし、作物自身が持っている力を最大限に生かすための「生産者心得」を紹介しました。また自然農法センターの石綿薫さんは、作物残さなどの有機物のすき込み時期に注意することなど、土を生かす有機物の使い方について、報告しました。
また、有機栽培に挑戦しているイチゴ農家、神田農園(韮山町)を視察しました。
農民連も参加 学校給食の食材費助成などで成果
茨城農民連も参加している県民要求実現茨城共同運動連絡会は、七月二十五日から三十一日の三日間、十八時間にわたって茨城県との懇談を行いました。
六月一日に県知事あてに百五十項目の要求書を提出。七月二日に受けとった文書回答をもとに、二十六団体のべ二百十五人が参加。県側からものべ百二十三人が応対しました。
茨城農民連では、農業・食糧関連で「品目横断の対象にならない農家を含めて、すべての農家の経営が成り立つように県独自の対策を」など十項目の要求を提出し、国保税の問題などで懇談に参加しました。
懇談の中で、県の特別栽培農産物認証制度の対象にモロヘイヤなど四品目を提案したことに対して、県側は検討を約束。また学校給食の食材費に助成が必要なことについては、認識の一致が確認できたり、農業機械の助成では、経営「改善」の内容があれば補助制度があることが分かるなど、具体的な成果がありました。
(茨城農民連 村田深)
(新聞「農民」2007.9.10付)
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