手渡そう、子どもに憲法、平和な世界を
第53回日本母親大会
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「今こそ生かそう憲法を!手渡そう子どもにいのち輝く平和な世界を!」――八月二十五、二十六の両日、第五十三回日本母親大会が東京と埼玉で開かれ、二日間で一万人あまりのお母さんたちが参加しました。一日目には「農村のお母さんの交流会」が開かれ、全国各地から農民連女性部のお母さん四十人が参加しました。(写真〈写真はありません〉)
生き生き発言、爆笑の渦、タメ息…
農村のお母さんの交流会
「農村のお母さんの交流会」では、農民連の笹渡義夫事務局長が講演。エタノールブームなど世界の食料需給がひっ迫するなかで、国産の農産物を求める消費者の声がますます高まっていることを紹介し、「今こそおおいにものを作って、加工にも、交流や販売にも取り組んで、国民の声に応えていこう。その知恵と力をもっているのが農家の女性たちだ」と呼びかけました。
もの作り、加工も販売も知恵と力をもっている
農家の女性
会場からの発言では、笑いあり、タメ息あり、率直な発言が相次ぎました。静岡県の杵塚かづ江さんは「子ども三人とも農業を継いでくれ、農作業は余裕ができたが、今度は親の介護が必要に。今後は地域の子どもたちと農業を通して交流していきたい」と発言。また茨城県の飯田安江さんは、「今年の農協の米価が七千円という話が、地域に大衝撃を与えている。高齢化も深刻。率直に消費者と話し合える産直をやってきて、本当に良かったと思う。産直では米も野菜も絶対量が足りない。仲間をふやして、困難を切り開いていきたい」と述べ、大きな拍手が沸きました。
このほか、「直売所を始めて一年、お客さんと生活のことまで交流」(千葉・飯島和子さん)、「息子が就農。スーパーの直売コーナーを任せたら、早起きになり奮闘中」(埼玉・森千恵子さん)、「直売しているが、農業がすごく楽しい。体力が落ちてハリ治療代の方が高い(会場が爆笑の渦に)」(愛媛・錦織茂子さん)など、いきいきと語られました。
◇ ◇
デモ 姉さんかぶり、揃いの憲法エプロン姿で参加
四千人が参加した東京・芝公園から日比谷公園までの「憲法守れ!母親大パレード」。スタート集会では、実行委員会代表委員の木村康子さんが「母親パワーで大会を大きく成功させ、憲法と平和を守りましょう」とあいさつ。農民連のお母さんたちも手ぬぐいを姉さんかぶりして、お揃(そろ)いの“憲法エプロン”姿で参加。鳴子(なるこ)を鳴らして沿道の人びとにアピール、東京の夜空に女性たちの声が響きわたりました。(写真〈写真はありません〉)
久保田部長が分科会で発言
二日目は、東京都と埼玉県内の四会場に分かれて、テーマごとに分科会が開かれました。暮らしと社会保障の分科会で、女性部長の久保田みき子さんが「昨年の稲作労賃は、時給わずか二百六十円。このままでは、日本から農業がなくなってしまいます。平和で農業が続けられる社会をいっしょにつくっていきましょう」と、発言しました。
農業は大切な仕事と改めて思う
▼親子で参加した猪鼻さん母子(栃木県那須塩原市)
・長女の和子さん
今、東京都の公立盲学校の中等部で教師をしています。母親大会に参加して本当に良かったです。農業は食べものを作る大切な仕事だと、改めて思いました。
両親が農作業している姿を見ながら育ってきました。この丹精(たんせい)こもった農地をどうしようかと、私たち姉弟でも話し合っていますが、後継者問題は全国的に深刻なのですね。
親子で参加できて夢がかなう
・母親のさめ子さん
借地も含め六ヘクタールの田畑を夫婦で作っています。価格暴落は身にしみて痛感しますが、産直での交流が作る喜びです。
大会に親子で参加できて、夢がかないました。みんな希望を持って農業に取り組んでいて、私も元気をもらいました。
産直に参加して先が広がった
▼初参加の鈴木美穂子さん(埼玉県本庄市)
新規就農して八年目。農民連の産直に参加するようになって、こういう農家の先輩のお母さんたちの話を聞いたり、消費者と交流したりする機会が増えて、先が広がって良かったです。
研修生を受け入れて新規就農を応援したり、加工や販売まで広げていけたらと思っています。
(新聞「農民」2007.9.10付)
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