旬の味
ナシの開花を待つこの季節、数年前から海外に出かけるようになった。これは一年間の労働への贈り物▼今年はエジプト。未知の国との出合いは、毎回ワクワクするものだが、どの国にいっても農民ゆえか農村へ関心が向く。首都カイロは、自動車とロバの荷車が道路を混とんとして走る町。カイロからアスワンへは、ナイル川に沿って鉄道で南下したが、その風景はギリシャの歴史家ヘロドトスの言葉どおり「エジプトはナイルのたまもの」▼ナツメヤシがたくさん植えられ、サトウキビの収穫が行われ、飼料のクローバーを刈り取った子どもたちがロバで運び出している。のんびりと緑豊かな美しい風景だが、国土の九四%が砂漠で気温が五〇度にもなるこの地で、農作物を生産してきた農民の労働と日々の暮らしの厳しさを思う▼主食の小麦は、人口の増加で十数年前から輸入に転じた。食を支える農民の暮らしが、多くの国でこんなにも大変だなんて絶対におかしい。ここにも食糧主権の旗をかかげよう。 (悦)
(新聞「農民」2007.3.26付)
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[2007年3月]
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