「農民」記事データベース20070326-773-06

フーデックス・ジャパン 今年は…


米国産牛肉コーナー“月齢”投票

基準緩和 30カ月以上を要求

 国内・世界の食品・飲料品を展示する「フーデックス・ジャパン・2007」が三月十三日から十六日まで、千葉・幕張メッセで開かれました。

 注目はアメリカの食肉コーナー。輸入再禁止になった昨年は、牛肉の展示はなく、アメリカ産牛肉の再開の是非を問う投票を実施。解禁後の今年は、「月齢制限についての投票」。「二十カ月齢以下の日米合意を続行するのが良い」か「三十カ月齢以下の国際基準に準ずるのが良い」かの二者択一の投票を実施(写真〈写真はありません〉)。二十カ月齢以下という基準を取り払って、さらに緩和を要求するあつかましさです。

 メキシコ・コーナーでは、トウモロコシの生地を焼いた薄いパンのような、主食のトルティージャを宣伝。メキシコにトウモロコシの多くを輸出しているアメリカでは、バイオ燃料の原料の需要が高まり、トウモロコシが不足。この影響で、トウモロコシ価格が高騰し、メキシコ国内では「トルティージャを食わせろ」と、デモが行われました。

 トルティージャ・ブースの担当者は、トウモロコシ価格が昨年より倍近くになったことを指摘し、「問題は、トウモロコシが穀物大手に独占され、価格操作をされていることだ。スムーズに市場に流通していれば、こんなことにはならないのに。政府も対策をとるべきだ」と憤っていました。

(勝)


輸入熱帯フルーツ 猛烈売り込み

なんとFTAの締結国や交渉国

 「食品業界の流行」がわかるフーデックス。これまでも中国の冷凍食品など輸入攻勢の「次の獲物」は何かを警告してきました。そして今年。とくに危機感を感じたのが、マンゴーなどの輸入熱帯フルーツと、スナック菓子類の激増です。

 どちらにも共通するのが、日本にはない鮮やかな色と形、「異国の文化」を感じさせるパッケージや加工などです。なにしろ「見た目」が美しくて楽しいのです。日本の食品業界は「スイーツ(甘い生菓子)」がちょっとしたブーム。輸入フルーツはこの流行を利用して、ドラゴンフルーツなど日本ではまだ珍しい熱帯フルーツを、ジュースなどに加工して猛烈な売り込みを繰り広げていて、女性たちが黒山の人だかりを作っていました。

 危機感を感じるのは、これらを出展しているのが、メキシコやタイ、チリなどFTAの締結国や交渉国だということです。他にもアメリカなどの多国籍企業がピューレやドライフルーツ、フルーツチップスなどを洗練された加工と演出で、ポストハーベストや栽培方法にはまったく触れずに、大宣伝していました。

 また、これまではカルビーなど比較的国産メーカーの強かったスナック菓子類も、売り込みブースが激増。ヨーロッパ各国のほか、アメリカ、タイ、メキシコなど世界中の国々が猛烈に売り込んでいました。

(満)

(新聞「農民」2007.3.26付)
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2007年3月

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