「農民」記事データベース20070319-772-02

農民連・畜全協が農水省に要請

乳価下落、飼料高騰に対策を

北海道からも参加 切実な要求次つぎ訴え

関連/加工乳補給金上げ数量は減らす


 農民連と畜産農民全国協議会は三月一日、農水省で、輸入飼料高騰や乳価下落への対策を実施し、日本の畜産を守るよう要請を行いました。北海道から五人、茨城県から二人が参加するなど、畜産農家の切実な声を伝えました。(写真〈写真はありません〉

 両団体は、(1)生産者補給金単価、食肉安定価格などの基準価格の引き上げ(2)経営全体をカバーできるような酪農経営安定対策の水準引き上げ(3)飼料価格の安定と国内自給飼料の補助―などを要望。農水省は「畜産農家に支給する安定基金は一年で底をつく。自給飼料については可能な補助をしたい」と答えました。

 参加者から「乳価が下がり、エサ代が上がって生活費を切り詰めるところまで切り詰めている」「一千万円の借金を抱え、生命保険を解約している農家もある」「負債を多く抱えた農家ほどやめるにやめられず、悪循環に陥っている」などの声が出されました。

 加えて「日本とオーストラリアとのFTA(自由貿易協定)により、肉や乳製品が関税ゼロで輸入されたら日本の畜産は壊滅する」と批判。「日豪FTA交渉はやめよ」と求めました。

 参加者は、農民連本部に場所を移し交流。畜産の実情など意見を出し合いました。

 両団体は八日、「食料・農業・農村審議会」の生源寺真一・畜産部会長にあてて、生産者補給金と畜産物価格を引き上げ、日本の畜産を守る要請書を提出しました。


加工乳補給金上げ数量は減らす

国産飼料資源活用に予算
畜産・酪農対策決定

 政府は三月八日、二〇〇七年度畜産・酪農価格と関連対策を決定しました。加工原料乳の補給金単価を引き上げる一方、補給金の対象になる限度数量は減らされました。

 加工原料乳の補給金単価は一キロ十円五十五銭で、飼料高を入れて現行より十五銭引き上げられましたが、限度数量は五万トン減の百九十八万トンになりました。チーズ等の構造改革対策で、三年間で四十二万トン、特別枠十二円の増になりました。しかしチーズの基本乳価四十円ではやっていけません。牛肉・豚肉の安定価格は据え置きです。

 また国産飼料資源活用促進総合対策は新たに十四億円の予算をつけ、粗飼料自給率向上対策を拡充。食品残さの飼料化についての調査などを盛り込みました。

 生産費を割り込んで経営が大変な畜産農家のために、抜本的な改善が必要です。

(新聞「農民」2007.3.19付)
ライン

2007年3月

農民運動全国連合会(略称:農民連)
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224

本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
Copyright(c)1998-2007, 農民運動全国連合会