「農民」記事データベース20070115-763-06

今年は出番です


   年男・年女(下)


48歳

ファイト出して

石井 良夫さん
(福岡・うきは市)

 私が住む、うきは市浮羽町は、北は筑後川が流れ、南には耳納連山が連なる、果樹栽培が盛んなところです。わが家では柿九十アールと巨峰六十アールを栽培しています。

 去年はカメムシの被害が多く出て、台風の通過でキズ果になり、収穫直前にはひょう害にも遭いました。自然災害には勝てませんが、生産者はみんながんばっており、私もファイトを出して家族のために、去年以上の収益を上げることを目標に努力していきます。

 去年は赤旗まつりに参加させてもらい、直接、消費者とふれ合うことの大切さを感じました。お客さまの声を聞きながら期待に応えられるように、そして柿と巨峰を全量、全国のお客さまに直接届けられるよう少しずつ固定客を増やして、規模拡大しながら信頼される果樹園経営をめざしていきます。

60歳

情緒豊かに育て

小林美智子さん
(茨城県茨城町)

 私は五十アールの畑で菊を作り、直売所などで売っています。昨年は作柄があまりよくなかったので今年はいい菊を作りたいと思っています。この年齢になると、一年一年、今やっていることをより充実させていきたいと思いますね。

 また私は、小中学生に本を読み聞かせたり、しめ飾り作りを教えたりしています。昨年から中学生も対象になりました。少し心配もありましたがまったく取り越し苦労でした。子どもたちは『あらしのよるに』などを、目に涙をためて真剣に聞いてくれます。子どもたちにもっともっと本を読んでほしい、そして情緒豊かに育ってほしいと、心から願っています。

72歳

農業発展に強く

山口 和男さん
(大阪府連合会会長)

 十歳の時、長崎の諫早に疎開していた私は、原爆の恐ろしさを身をもって知りました。川遊びに興じていたその時、木々がザワザワと鳴り、後日、それが原爆の爆風だと知りました。長崎に働きに出て帰らない父を探しに家を出た母は、父とともに多くの親類を連れて帰りました。しかしその人たちは、何ら外傷のない若者も含めて、バタバタと死んでいったのです。

 京都の大学に進学した私は、アメリカの水爆実験をニュースで知り、居ても立ってもいられず、大学中を走り回って反対運動を組織しました。それが学生運動に加わるきっかけで、現在の農民運動につながっています。

 いま大阪府は、都市農業を守る、独自の条例づくりを始めています。高額な固定資産税・相続税による農地取り上げとたたかってきた私には、隔世の感がします。この流れをさらに強めるために引き続きがんばっていく決意です。

(新聞「農民」2007.1.15付)
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2007年1月

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