「農民」記事データベース20070108-762-05

食べものに薬効あり

橋本紀代子


「春の七草」の意味は?

 「せりなずな、ごぎょうはこべら仏の座、すずなすずしろこれぞ七草」という古歌があり、一月七日には七草をたたいた七草がゆを食べるならわしがあります。七草がゆは年中行事とされていますが、はたしてそれだけの意味なのでしょうか?

 「春の七草」に似た習慣がドイツにもあり、「春季療法」と呼ばれています。ドイツは緯度が高いため、冬は保存したソーセージや肉などに頼らなければなりません。体の中にたまった老廃物を体外に出すため、数週間にわたり春の野草を食べますが、その野草はオオバコ、セイヨウタンポポ、ミツガシワなど、七十種類以上にもなります。

 「七草」は七つという意味ではなく、「たくさん」と考えたほうがよいようです。

 年末年始は、忘年会、クリスマス、お正月とごちそうが続きます。胃腸のくたびれをいやし、ドロドロの血液をサラサラにする「七草」を、単なる年中行事にしてしまうのではなく、たくさんの新鮮な野菜をしっかり食べる月間のように位置づけたいものだと思います。

 もう少しすると、フキノトウが芽吹きます。独特の苦味が楽しみです。冬の間、寒さで動きの鈍った体を、たくさんのポリフェノールが刺激してくれることでしょう。

(新聞「農民」2007.1.1・8付)
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2007年1月

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