「農民」記事データベース20061211-760-09

旬の味


 フィリピンで行われたビア・カンペシーナ農民女性会議は、私にとって、自分が日本人であることを強く意識した一週間だった▼日本とフィリピンのEPAに関連して日本企業の暴挙の数々が報告され、先々で日本代表としての意見を求められた。そして最終日に訪れたコリヒドール島では、日本軍が残した戦争と侵略の傷跡を目の当たりにした。過去の侵略戦争から現在の日本企業による収奪に至るまで、日本人として目をそらしてはいけない事実が多くある▼戦争もWTO・FTAも人権を侵害し、家族をバラバラにし、環境を破壊し、人々を敵対させる。両者に類似点が多いことに気付いたとき、日本の侵略の歴史はまだ終わっていないと感じた▼過去を変えることはできないが、同じ惨劇を繰り返さないことはできる。それが、今を生きる私たちにできる過去への償いであり、未来への責任だ。人間としての尊厳と権利を守るため、国家を超えた人と人との結びつきのもと、国家や企業の横暴を許さず共にたたかおう。

(歩)

(新聞「農民」2006.12.11付)
ライン

2006年12月

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