もっと広げようGMOフリーゾーン
(遺伝子組み換え作物を拒否する地域)
ストップ!GMO秋の全国行動(千葉)
全国交流集会でパネルディスカッション
国内外の作物栽培状況など報告
関連/GM動物はいらない
遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーンは二十六、二十七の両日、遺伝子組み換え(GM)動物の食品安全性の審査基準について議論するコーデックス委員会バイオテクノロジー応用食品特別部会が千葉・幕張で開かれた(十一月二十七日〜十二月一日)のに伴い、「ストップ!GMO 秋の全国行動inちば」に取り組みました。
二十六日は、太平洋に臨む街、旭市で二回目となるGMOフリーゾーン(GM作物を拒否する地域)全国交流集会が開かれました。パネルディスカッション(写真上〈写真はありません〉)では、キャンペーン代表の天笠啓祐さんが、GM作物栽培をめぐる世界や国内の動きにふれ、それに対抗するフリーゾーンの広がりの必要性について問題提起しました。
海外ゲストとして参加したスイスのブルーノ・ハインツァーさん(グリーンピース・ジャパン、GMOプロジェクトマネジャー)は、GM植物の農業利用を五年間禁止することを決めた、昨年の国民投票の取り組みを報告し、自治体レベルでのフリーゾーンの広がりを紹介しました。
韓国の趙大鉉さん(韓国ウリ農生協、われら農村を生かす運動本部長)は、消費者中心だったGM反対運動が農民にも広がり、「植えない、買わない、販売しない」などの取り組みに発展している様子を語りました。
各地の取り組みが紹介され、フリーゾーンが二十七都道府県、面積では六千七百ヘクタール以上に広がっていることが報告されました。千葉では全国で初めて、漁師による海のフリーゾーン、酪農家による牧場のフリーゾーンが宣言され、「海にGM魚はいらない」「安心して飲める牛乳を」とアピールしました。
最後に参加者は、「GMOフリーゾーンの輪を広げることで、食料主権を確立します。そして、地域固有の農と食文化を守り、食の安全と生態系を守ります」とする大会宣言を採択しました。
コーデックス委員会会場前で
抗議の宣伝とパレード
全国行動二日目、コーデックス委員会バイテク特別部会初日の二十七日、消費者、生産者、生協などの行動参加者は、会場となった千葉市の幕張メッセ周辺で、抗議行動を繰り広げました。
朝は、国際会議場前で入り口前行動。会議参加者に非GM大豆やビラを配布し、「ノーGMO」の意思をアピール。その後、「動物の生命操作の問題点」のテーマで学習会を開き、コーデックス委員会で何が議論されているのかを学びました。
最後に、約二百五十人が国際会議場に向けてパレードを行い(写真下〈写真はありません〉)、農民連も参加。牛の着ぐるみで仮装したり、魚や動物のお面を身につけながら、横断幕やのぼり、プラカードを掲げて、「GM食品はいらない」「GM動物の商業化ノー」の声を響かせました。
幕張海浜駅のオーロラビジョンには、GM食品を拒否し、食と農業を守ることを訴えるビデオアピールが終日放映されました。
コーデックス委員会とは
国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)が合同で運営する組織で、国際的な食品規格の作成などを行っています。一九九五年のWTO(世界貿易機関)発足以降、同委員会の決定が、食品安全分野の国際基準として位置づけられ、強制力を持つようになりました。
二〇〇〇年から〇三年まで議長国の日本で「コーデックス・バイオテクノロジー応用食品特別部会」が開催され、GM植物・微生物の食品安全性審査の世界的な基準が定められました。再び日本を議長国として同部会が再開(〇五年〜〇八年)され、GM動物(魚を含む)の安全性基準の検討が行われています。今回の主な問題点は、GM植物の基準をそのままGM動物にあてはめようとしていることです。
今回の基準作りが〇八年に終了すれば、二〇一〇年にもGM動物が食品として、私たちの食卓に上る危険性があります。
(新聞「農民」2006.12.11付)
|