「農民」記事データベース20061204-759-04

農地・水・環境保全対策 来年度スタート

減反で荒地つくり 何が環境保全か!!


“減反達成が要件”に猛反発

滋賀 担当者会議で意見分かれる

 来年度から、農地・水・環境保全対策がスタートします。この対策は、農地や農業用水施設などの保全、農村の景観を地域ぐるみで維持しようと、対象集落に国が十アールあたり二千二百円、各自治体が同額を助成するもの。いま、その申請に向けて、集落単位の説明会や取り組みが始まっています。

 ところが、この対策に参加するためには、「生産調整(減反)の達成」が要件とされることが明らかになり、“減反で荒地をつくって何が環境保全か、減反を要件に入れるな!”の声があがっています。

 農水省の「農地・水・環境保全向上対策Q&A」によると、「生産調整が一〇〇%達成されていなくても、該当するのか」との問いに、「生産調整と本対策は直接関連するものではないが、本対策と生産調整の連携を図ることは有用であり、両対策間の調整がなされるよう指導していく」と回答。これは、“指導する”とあいまいな表現ですが、実態は“強制”です。

 滋賀県では十月六日、この問題で県内の担当者を集めて会議が開かれました。しかし、「生産調整を要件とするかどうか、意見が分かれて結論が得られず、市や町で決めることになった」そうです。

 県農民連の北村富生会長は、「私の集落(長浜市鳥羽上北町)でこの対策に乗ろうとすれば、六十万円の助成金をもらうかわりに、六ヘクタール近い減反をしなければならない。ここは湿田で麦や大豆は作れないから、これまで他の町にお願いして減反を達成してきたが、来年度からはできなくなる。“水張り減反”しか方法がなくなり、確実に水田が荒れる。環境保全といいながら減反の押し付けは、絶対に許せない」と、市に対して減反を要件にしないよう申し入れをしています。

(新聞「農民」2006.12.4付)
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2006年12月

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