「農民」記事データベース20061023-753-10

食べものに薬効あり

橋本紀代子


柿はヘタ(蔕)まで漢方薬

 病気予防のために「もっと野菜を、もっと果物を」と勧告したのはアメリカ政府。わが国でも、厚労省の果物の目標摂取量は二百グラムなのに対し、実際には目標にはほど遠く、その六〇%弱しか食べられていません。

 果物のおいしくなる秋は、「医者が青くなる」季節。「柿が赤くなると医者が青くなる」ともいわれます。

 柿は二日酔いの妙薬。干し柿にもアルコール代謝をよくする働きがあります。酒を飲む前に柿を食べるとアルコールが早く代謝され、悪酔いの予防になります。

 柿の葉には、体の中でビタミンCに変化するプロビタミンCが豊富に含まれています。

 柿の葉茶は六〜十月ころに採集した若葉を原料にした、究極のハーブティーです。葉を陰(かげ)干ししてから大きい葉脈をとり、刻んでから蒸し、さらに陰干ししてつくります。熱湯を注ぎ、十〜十五分待ち、お茶がわりに飲みます。血糖値が下がるほか、ダイエットやアトピー性皮膚炎などへの効果も期待できます。また、骨が丈夫になる、新陳代謝が活発になる、動脈硬化が予防できるなどの効果もあります。若葉のてんぷらも美味です。

 柿のヘタは漢方薬として知られ、しゃっくりや嘔吐(おうと)、咳などの治療のほか、夜尿症などの治療にも用いられます。

(新聞「農民」2006.10.23付)
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2006年10月

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