「農民」記事データベース20061016-752-11

旬の味


 自民党の総裁選挙が行われ、「美しい国を作る」という人が首相になった。総裁選は、規制緩和の推進や消費税引き上げなどを競い合い、国民の願いとかけ離れたもので、誰も国債発行残高が八百二十兆円を超えたことに触れなかった▼破たん宣言した北海道夕張市は税収の三・五倍の借入金がその原因。国はと言えば、税収の実に十一倍の借金。まさに国家財政こそ破たん状態であり、まともな政府ならその責任を厳しく追及し、真の財政再建に全力を挙げるはず。ところが国は、財政危機の根本原因には目を向けず、庶民をいじめるばかりだ▼先ごろ、ネギで有名な深谷市の農家に税務調査が入った。「風呂、シャワーの改修費は生活用であり経費として認めない」と言いがかりをつけて修正申告を迫っている。汗みずくになって国民の食料を生産する農家の暮らしを理解できないのだ▼今、政府がやるべきことは無駄な公共事業や米軍への思いやり予算を削り、地場産業の育成や福祉、医療の充実に全力を挙げることだ。

(慎)

(新聞「農民」2006.10.16付)
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2006年10月

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