旬の味
ほんのわずかずつだが、田んぼに微妙な変化が進んでいる。黄金の穂波に雑草が数本突き出している田が増えていることだ▼転作田に自家用のナスを定植して肥料の空き袋の両端を切ってかぶせるとき、同じ絵柄の袋を整然と同じ方向に向けるほど、何事も手を抜かない元少年航空隊員の田の畦草がここ二年ほど伸びている▼穂が出れば一面にクモの巣が張られ、気温の日格差大、日照時間は無類に長い、天然の減農薬の稲作適地。少し前にはこの現象はなかった。限界の兆候か▼新首相は憲法と教育基本法の改悪を公約に掲げた。そのタカ派内閣の内閣副官房長官に二人も民間人を据えた。首相の女房役の官房長官の副である。何を意味するかいうまでもない▼ジャーナリズム精神を失った報道は戦前戦中を思わせる▼憲法改悪、品目横断、FTAの強行…。日本と農業の明日が案じられる▼「死んだ人々は慨く術もない以上、生き残った人々は、沈黙を守るべきなのか」(『きけわだつみのこえ』=戦没学生手記)。 (節)
(新聞「農民」2006.10.9付)
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[2006年10月]
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