「農民」記事データベース20061002-750-12

旬の味


 食いだおれの街、大阪で秋祭りといえば、何と言っても泉州・岸和田のだんじり祭だ。元禄十六年(一七〇三年)、岸和田城主・岡部長泰の時代に始まり、三百余年の歴史と伝統を誇る庶民主役の祭りだ▼町の宝物という彫刻をちりばめた、高さ三・八メートル、重さ四トンのだんじりを、千人近い曳(ひ)き手が直角の交差点を猛スピードで一気に回す豪快な“遣(や)り回し”こそ、祭りの最大の見せ場。だんじりの屋根でうちわ一つで操る大工方の妙技も魅力だ▼今年も六十一万人が訪れた岸和田祭。東京の神田祭、京都の祇園祭、大阪の天神祭とともに日本の四大祭りと言われるのもうなずける▼ところで、五穀豊穣(じょう)を祈願する秋祭りが年々盛大になるのを喜ぶ反面、肝心の五穀の柱である米がつぶされていくのがたまらない。外米輸入量を毎年百四万トンに増やし、減反面積をさらに五万ヘクタール増やす用意があるなどという日本政府のWTOへの提案。品目横断対策がこれに拍車をかける。こんな五穀つぶしだけは許せないと思う、今年の秋祭りだ。

(西)

(新聞「農民」2006.10.2付)
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2006年10月

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