「農民」記事データベース20061002-750-11

映画人九条の会「蟻の兵隊」上映会

池谷薫監督、山田朗明大教授対談も


 平和を愛する映画関係者や愛好家でつくる映画人九条の会は九月十五日、映画「蟻(あり)の兵隊」の上映会を開催。その後、映画監督の池谷薫さんと明治大学教授の山田朗さんが対談しました(写真〈写真はありません〉)。会場は、入りきれないほど参加者であふれました。

 池谷さんは対談の中で、「中学生はじめ若者の姿がめだち、たいへんうれしい。九条の問題は、二十年、三十年先のことですから、特に若い人たちにこの映画を見てほしい。『あの当時の日本人は何をやっていたんだ』と言われないように、私は映画でがんばります。みなさんも何かできることをしようじゃないですか」と呼びかけました。


映画「蟻の兵隊」

残留兵の真相と戦争の実態暴く

 「棄てられた兵隊」を描いたドキュメンタリー。終戦後、四年間も中国の山西省に残り、戦争を続けた残留兵が二千六百人もいました。蟻のようにただ黙々とたたかって五百五十余人が戦死するという悲劇を生みました。

 「自分たちは、なぜ残留させられたのか?」―残留兵は、日本軍の司令官と中国国民党軍の密約で残留させられ中国共産党軍とたたかわされたと訴えてきました。日本政府は、「彼らは逃亡兵であり、自らの意思で残り、勝手にたたかった」として黙殺し続けています。

 いま八十歳を超えた残留兵たちは、国を相手に提訴。映画に登場する奥村和一さん(81)もその一人。奥村さんは、“初年兵教育”の名の下に中国人を刺殺するよう命ぜられ、今も体内に無数の砲弾の破片を抱えています。真実を明らかにするため中国に向かった奥村さんをカメラが追います。奥村さんの執念が、驚くべき残留の真相と戦争の実態を暴いていきます。

 ※札幌、八戸、盛岡、仙台、山形、福島、新潟、名古屋、四日市、那覇などで上映予定。詳しくは、「蟻の兵隊」ホームページへ。

(新聞「農民」2006.10.2付)
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2006年10月

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