秋まく品種を強引に変えられ…小麦農民“困った困った”群馬今の“絹の波” 多収・良品質・奨励品種なのに
ウラでは製粉会社のゴリ押し群馬県内の小麦産地では、この秋にまく小麦の品種を「絹の波」から「農林61号」に変更するよう迫られ、農家はたいへん困っています。九月五日にJAたかさきが主催した「作付け調整会議」では、結成されたばかりの集落営農組合の代表や認定農業者が集められ、「絹の波」の作付けを前年の五八%に減らせ、という指導が行われました。理由は、「製粉会社の要求どおりに作付けしてくれ」というものです。 製粉会社の言い分は、原料麦のほとんどが輸入で国産麦はブレンド用となっていることから、使い勝手に慣れた「農林61号」というのです。「絹の波」は新品種でまだ実績に乏しく使い慣れていないとのこと。さらに民間流通に移行して、入札取引の量が前年実績で配分されるため、品種の転換には時間がかかることなども理由の一つでした。 しかし、「絹の波」は短幹で倒伏しにくく、追肥のリスクが少ない上に多収で品質もよく、県の奨励品種になっています。またJAたかさきでは、「絹の波」を100%使用した「高崎うどん」を発売し、学校給食で取り扱うなど地産地消の看板にもなって、多くの消費者や農家にも歓迎され、「希望のともしび」となっています。 製粉会社のごり押しによる、生産者の実情や消費者の地場産を求める願いに背を向けた、一方的な作付け変更は許されません。集荷と販売のミスマッチは、「絹の波」の作付け減反ではなく、利用拡大で解決すべきです。JAの前向きな対応と行政の指導を求める声があがっています。 (群馬・西毛農民連 木村一彦)
(新聞「農民」2006.10.2付)
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[2006年10月]
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