「農民」記事データベース20060828-745-10

旬の味


 長野県政の六年は、業界と政治・行政の癒着や腐敗が底知れないこの国の恥部をえぐった。田中知事の個性的弱点はあったが、それを超えるものではなかったか▼旧建設省から出向した官僚が代々土木部長をやり、土木行政にまつわる独特の腐敗が地方の末端まで浸透し、田中知事誕生時には知事の名刺を面前で引き裂くことすらあった。土木行政と結んだ県議会は圧倒的に県政妨害勢力で、この厚い壁を正面からぶち破ったのが脱ダム宣言に象徴される一連の改革だった▼七月の豪雨による農業被害で「お助け隊」は九班九十四人、岡谷市では牛舎の片付け、牛の移動を手伝った。田園ローラー作戦は四十七班百四十人。農政部、自立チームなど六班十二人。農業改良普及センターや試験場の技術相談窓口十三件。全分野で四千三百人の県職員が被災現場へ救援に赴いた▼こういう県政を大局的に見ない判断や投票が県政の逆戻りにつながる結果となった。歴史は一直線に進まないが必ず前進する。農業と同じような気がする。

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(新聞「農民」2006.8.28付)
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2006年8月

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