高い技術をたくさん学んだ
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インドネシア農民組合連合(FSPI)の有機農業トレーニングセンターで働いているプトロ・サントソさん(31)が、七月十二日から八月一日まで来日し、農民連青年部の学習交流会に参加したあと、福島(長峯巌さん)、新潟(渡辺憲一さん、鶴巻純一さん、高橋正さん)、石川(近松耕平さん、西忠恭さん)、富山(多田裕計さん)の農民連会員宅に泊まりながら、有機農業の研修と交流を深めました。プトロさんに話を聞きました。
来日中に、インドネシアでは大地震・大津波が起こるなど心配なできごともありましたが、幸いに私の住んでいるボゴール地方は被害が少なく安心しました。
FSPIでは二年前、試験的に有機農業トレーニングセンターを立ち上げ、いま五人のスタッフで農薬や化学肥料を使わない有機野菜作りに取り組んでいます。作付けは、混作を基本にし、たい肥は土着菌を使い、ワラなどに鶏ふんや羊ふんを混ぜて発酵の速度をコントロールするなど、作物ごとに成分の違う堆肥づくりに取り組んでいます。
帰国後、すぐこの貴重な体験を多くの人々に伝え、有機農業の普及に役立てたいと思っています。日本で学んだことをどうインドネシアで実践できるか、これからが私の仕事です。また、農民連の活動に触れ、農民の生活そのものも体験することができ、たいへん参考になりました。
日本の農業は、技術が高く収益も多い豊かな農民をイメージしていましたが、実際には私たちと同じように、多くの困難と将来への不安を抱えていることを知りました。そのなかで、農民連が農民の暮らしを守るために、大きな敵に立ち向かってたたかっていることがわかりました。
今回の経験を通じて、両国農民の交流が、さらに発展することを望んでいます。
夜は、完成したばかりの散居村ミュージアム内のアズマダチ家屋で交流。踊り好きの仲間が越中おわら節を披露するなど、楽しいひとときを過ごしました。
有機農業に関心が高いプトロさんは、学ぼうとする姿勢が意欲的で、どのような有機質肥料を使っているのか、害虫などの防除をどうするかなど、日本の農業からできるだけ吸収し、インドネシアに帰って役立てたいという思いが伝わってきます。FENネット(有機農業生産グループ)に所属する農家の大江一男さんを二人で訪ね、有機野菜の生産方法や発酵肥料(ボカシ)の作り方などを見学。プトロさんは「これは非常に良いボカシだ」と言っていました。
また、農家の経営や農産物の販売方法などにも興味を示し、農産物の販売先や顧客をどうやってつかんでいるのか、パッケージはどんなものを作っているかなど、具体的な販売方法を知りたがっていました。
そのほか、地域の農民連の活動はどんなことをしているのかなど、農民連や生産組織グループの活動内容など組織づくりにも興味を示していました。ただ生産するだけでなく、農家同士がどのように連携しているのかという組織づくりに意欲があり、これは私たちも見習わなくては、と思いました。
一週間という短い期間でしたが、ほんとに楽しい時間でした。一緒に仕事をしたり、農民連支部での交流会、有機農家の見学など、私自身もいろいろ一緒に生活するうえで刺激を受けました。プトロさんのインドネシアでは、ほとんどが手作業だそうですが、どんな人たちとどんな農業をしているのか、ぜひ見てみたい。
〈お知らせ〉来週発行予定の8月21日号は休刊します。
[2006年8月]
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