「農民」記事データベース20060807-743-03

果樹などに被害15億6800万円にも

長野・豪雨 県食健連が県に救済策要請

県農政部 被災農家へ助成約束

関連/茨城県西食健連第14回総会開く


 記録的な大雨が各地を襲った七月中旬の豪雨災害では、農作物や農地などにも甚大な被害がでています。

 ナガイモ特産の山形村を調査

 長野食健連(食糧と健康を守る長野県各界連絡会、小林節夫会長)は二十五日、松本市近郊の山形村で現地調査を行いました。同村では、特産のナガイモに大きな被害が発生。全面積の一割にあたる十ヘクタールの畑が水没し、約一億円の被害だといいます。被災した大池啓介さんは水をかぶった畑を前に、「ナガイモは、曲がったり生育が悪くなって売り物にはならない」と肩を落とします。また、出荷前のスイカ畑が冠水したり、鉄砲水で田んぼに土砂が流入するなどの被害もでています。山形村役場の担当者は、「間伐や下刈りなど、山の手入れがさっぱりされていないからだ」と、その原因を話していました。

 中信農民センターの宮田耕治組合長は、「農業への被害はまったく報道されていない。行政に実態を知らせ、緊急な対策を求めたい」と話していました。

 長野食健連は翌日の二十六日、県農政部に対して被災農家への救済策を求めて要請交渉を行いました。このなかで県は、農作物の被害額が河川敷の果樹などを中心に、十五億六千八百万円にのぼっており、県単独事業として被災農家に救済助成を行うことを明らかにしました。助成の内容は、ごみや土砂の除去、消毒剤、代替え農作物の種苗などに市町村が助成した場合、県が半額助成するというものです。


茨城県西食健連第14回総会開く

分析センター募金に協力

 茨城県西食健連は六月二十五日、結城市で第十四回総会を開き、二十余人が参加。代表幹事の北嶋誠さんが、「日本の食と健康を守る立場で仲間を増やし、楽しく多彩な取り組みを広げながら、食の安全を実現していこう」とあいさつ。地域食健連ならではの活動として、恒例の「菜の花まつり」や収穫祭など地域に根ざした取り組みや、BSE訪米調査団報告集会の開催、鳥インフルエンザの対応についての国や行政への申し入れなど、二〇〇五年度の活動が報告されました。

 その後、農民連食品分析センターの石黒昌孝所長が講演。残留農薬、添加物、遺伝子組み換え食品、BSEなど、増え続ける輸入食品の危険性を告発しました。参加者は「食うもんねえな…」と、ため息交じり。「あきらめで終わらせずに即行動を」と、食品分析センターの強化募金などが参加者から集まり、その場で石黒所長に託しました。

 懇親会では、地元生産者の野菜を使った手作り料理を食べながら交流。まさにこれこそ「身土不二」、地元で採れた生産物を地元で消費する「地産地消」運動の原点はこんな身近なところにある、と再認識したひとときでした。

(茨城県西農民センター 久保幸子)

(新聞「農民」2006.8.7付)
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2006年8月

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