「農民」記事データベース20040719-644-12

旬の味


 ヒューマンファーマーズの「兼業農家に捧げる歌」をご存知だろうか。この歌を地でいくような暮らしのなかで、日曜日に田んぼの溝たて作業をした▼気温は三〇度を超え、夏を思わせる暑さのなかで、泥に足をとられ、全身汗だらけになりながら機械を押して田んぼを往復する。思わず「♪これが兼業農家の暮らしです。日本の農業ここにあり…」のフレーズが口をつく▼まわりの田んぼでも同じ作業をしていて、農作業機械の二ストロークの甲高いエンジン音が、こちらでもあちらでも「こんちくしょう、負けないぞ、がんばるぞ」と言っているように聞こえる。それは、過酷な肉体労働への励ましとともに、農業つぶしの悪政に対する怒りのようだ▼近年、田んぼにサギが多く見られるようになった。田んぼにいる小動物を捕食している。溝たて作業をしていると、明らかにサギに踏みつぶされた稲の形跡がある。頭にくるがサギを捕まえて怒るわけにもいかない。「それだけ、田んぼに自然があるのだ」と、自分に言い聞かせ、作業を続けている。

(巌)

(新聞「農民」2004.7.19付)
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2004年7月

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