04年 わが家の米作りと田んぼ
6月の田は楽しくて五月中旬のうっとうしい雨は何だったのだろうと思うくらい、雨量も少なく高温続きの天候で、稲の生育は六月末で平年よりやや進み、茎数も多いようです。三カ月予報によれば、出穂時期に高温とのこと。今後、施肥や水管理に神経を使いそうです。わが家の田んぼは、田植え後の高温のためか、藻の異常繁茂や、雑草に悩まされています。しかも例年多いコナギより、今年はホタルイが多い。六枚、あわせて一・五ヘクタールの田んぼの顔はそれぞれ違います。藻の異常繁茂した七十五アールの田んぼは、田植え後の二週間は“忍”の一字でした。一部被害が出ましたが、現在は茎も太く、よく成長しています。 無農薬栽培をするなかで、私の雑草や稲作技術への考え方がずいぶん変化しました。簡単にいえば、除草剤を使用しない田んぼで、雑草と共存しながら、地域の平均並みの収量をあげる稲作技術をどう築くかです。かなり手の届くところまで到達していると自負しています。 それにしても六月の田んぼは楽しい。毎年、中旬にはアキアカネが羽化します。今年の最盛期は十四〜十七日。夜の九時ごろ田んぼに行くと、早いヤゴはもう羽化を始めています。一株に四匹もヤゴが上がっていることもあります。ホタルもゆったりと飛びます。 朝日が昇るころ、田んぼに出かけると、アキアカネの羽が朝日に反射して田んぼ一面に光り、なんとも幻想的な光景が見られます。田んぼの上を数十羽ものツバメが低空飛行で乱れ飛ぶ光景も壮快です。そんなわが家の田んぼを見ながら、「無農薬栽培をしてよかった」とつくづく喜びをかみしめた六月でした。 《追 記》 先月紹介したカルガモの人口ふ化は失敗しました。石川動物園の野鳥担当の方にお聞きしたところ、温度だけでなく湿度、転卵(卵の向きを変える)の管理が難しいそうです。 (石川農民連 牧田孝允)
(新聞「農民」2004.7.19付)
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[2004年7月]
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