「農民」記事データベース20030224-575-10

旬の味


 「百姓は毎年一年生」と思っているが現実にぶつかるとため息が出る。いつもは寒いだけでろくに雪が降らないのに、今年は二十センチも積もっている▼雪が少ないから、ビニールをかけて表面だけでも融かせば一〜二月を通して収穫できるという皮算用だったが、天気は向こうから外れてくれる▼二月下旬には地元の生協のおかあさんたちのナズナ狩りがある。東京に試験的に持ってゆく計画もあり、あと半月でこの雪が融けてナズナが採れるかしらん。心配だ▼販路開拓には旬の時に食べてもらうのが一番。とすれば、ナズナは二月末から三月初め、冬菜は四月上旬には試食を。意思統一も早くしないと。ネギの新しい仲間は秋播きの苗がない。だから二〜三月に播種しなければならない。冬菜の追肥は二月中に。ああ、忙しい!▼農閑期なんていうのは標高七百メートルの水田単作地域の佐久でさえ昔のこと▼「今年のそば打ち会は?」という催促で開かれたそば会。そこでも「今年は…、来年は…」と話が盛り上がる。忙しくも楽しい冬である。もう春は近い。

(節)

(新聞「農民」2003.2.24付)
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2003年2月

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