遺伝子組み換え稲の開発オリノバが撤退発表広がる反対運動の成果
遺伝子組み換えによる酒造用や腎臓病患者向けの低グルテリン米の研究開発を進めてきたオリノバは一月二十二日、今年三月末で事業活動を停止すると発表しました。 オリノバは、一九九九年に、日本たばこ産業と英国のゼネカアグロケミカルズ(現シンジェンダ)の合弁で設立。その後、昨年七月にはシンジェンダが日本たばこから株式を取得して、同社はシンジェンダの一〇〇%子会社になっていました。 オリノバはこれまでにコシヒカリの遺伝子組み換えで「KA45」「KA48」「KA119」「KA130」の四系統の低グルテリン稲を開発。なかでも「KA130」は二〇〇〇年に農水省の安全性確認を得ており、厚生労働省に食品としての安全性評価を近く申請するといわれていました。 しかし昨年、親会社となったシンジェンダが事業を再評価するなかで、「遺伝子組み換えによる低たんぱく米やハイブリット米の市場が開発当初の見込みよりも小さい」と判断。今回のバイオ稲開発からの撤退にいたりました。 昨年暮れには、愛知県農試とモンサント社が共同研究してきた除草剤耐性稲「祭り晴」の商品化を断念。これに続いて、オリノバが“健康増進の次世代稲”と宣伝してきたバイオ稲の開発から撤退を決めたことは、遺伝子組み換え稲に対する反対世論の高まりの反映であり、「遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン」などの運動の成果です。 (塚平広志)
(新聞「農民」2003.2.24付)
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[2003年2月]
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