「農民」記事データベース20030224-575-01

“楽しい農業”へ意欲満々

どんどん作って売りましょう

農民連女性部第14回総会

 「どんどん作って、どしどし売ろう!」「家族仲良く、楽しく農業を続けたい」――東京・本郷で二月八〜九日の両日開催された農民連女性部第十四回総会で、農家女性の願いが豊かに花咲ました。総会には北海道、九州まで二十七都道府県から百人が参加。笑いあり、涙ありの多彩な活動が生き生きと報告されました。


爆笑と感動のウズ

佐久楽農倶楽部 小林さんの話に

 総会では、長野県佐久産直センターの小林吉彦さんが“金かけない、手間かけない、作りたいものを作って、金を取る”「佐久楽農(らくのう)倶楽部」の取り組みを講演。ユーモアいっぱいの話に、会場は爆笑と感動の渦が巻き起こりました。

 小林さんは「何かものを作ろう」と呼びかけたところ予想外の大人数と顔ぶれが集まった楽農倶楽部の始まりや、スーパースイートきぼう、「殿様ねぎ」などの取り組みを紹介し、現地見学や学習会など栽培技術を互いに学び合うことで意欲も品質も向上し、集落まるごとの参加などもあって今では百人を超えたことを報告。売り先も市場出荷や生協出荷などを開拓し、納得のいく良い値で売れて「作れば売れる、作らねば売れない」と“もの作り”に取り組んでいる様子を紹介しました。

 総会では、日本共産党衆議院議員の中林よし子さんなどの来賓あいさつ、高橋マス子女性部長の報告が行われ、続いて各地から多彩な発言が続きました。

 元気な発言が次つぎと

 ●花巻の女性部では全員参加で直売所の横の畑で野菜を育て、販売。収益は温泉に行ったり、食事会をしたりと活動費に。県の女性部では地域のお婆さんの知恵を借りて地しょうゆ作りに挑戦し、学ぶ所が多い。(岩手・千葉文子さん)

 ●減反田や耕作放棄地を借りてナタネを作り昔ながらの業者に搾油してもらっている。テレビで紹介され、注文が増えた。(福島・佐藤常子さん)

 ●梨作りが面白く、産地見学など技術を研究している。おいしいと言われるとすごくうれしい。またがんばろうと思う。これが農業の楽しさ。売り先も口コミで広がっている。(奈良・小西明子さん)

 ●三年前、地域の農民連の女性たちで加工所を作り、白菜のフルーツ漬けなどの漬物を始めた。時給三百円で始まったが今年は六百円に。お母さんにもお小遣いができた。収益の積み立て金で皆で沖縄に行くのが夢。(北海道・大塚美智子さん)

 ●地域の女性部ができて三年目。自慢の米と水でどぶろく作りに挑戦。麹も年寄りに聞いて作り、個性いっぱいのどぶろくができ、とても好評。(秋田・佐々木冷子さん)

 ●我が家は全員兼業の米農家。田植えや刈り取りなどは弁当持参、家族総出で。お嫁さんや子どもたちに農業の誇りと楽しさを伝えたい。(滋賀・中村ヨヒミさん)

 ●やる気をなくした農家の田んぼに、ヤクザな産廃業者が土を売って産廃を埋めている。脅しに屈せず議会で追及。(茨城・初見初江さん)

 ●昨年義父が死去し、名古屋近郊で相続税がたいへん。家屋敷を残すと農地がすっかりなくなるくらい取られる。相続税の猶予制度は絶対必要。(愛知・野田幸子さん)

 ●県の食健連の労働者が、アイガモの網張り・網取りなど毎年楽しみながら援農作業をしてくれる。その姿を見て、息子が去年就農した。(神奈川・小沢正子さん)

 ●女性部で農村女性の意識アンケートを百人から集めた。女性たちは将来不安はあっても、豊かな願いと意欲を持っている。(和歌山・宇治田悦子さん)

 ●昨年、九州で開催された母親大会をきっかけに県の女性部を発足。八代地域では、お婆ちゃんたちが作った家庭菜園の野菜を無人市に出せるようにしたらとても好評で、今後は有人化など発展させたい。(熊本・紺谷本裕美子さん)

 最後に、高橋マス子女性部長が「農業情勢は厳しくとも、国産を望む国民の要求は強い。作れば売れる。あらゆる知り合いに当たって売り先を開拓し、ものを作って、売っていこう」と討論をまとめ、閉会しました。


 自慢の料理がずらり 夕食交流会

 一日目の夜には、恒例の全国の自慢の逸品持ち寄りの夕食交流会が開かれました。

 漬物、どぶろく、ご飯もの、煮物、果物……。女性部ならではの伝統食や手作り料理がテーブルいっぱいに並び、心ゆくまで堪能。さっそく作り方や、料理のいわれを教え合う姿があちこちで見られました。

 衣装まで準備した芸達者なお母さんたちが次々と余興を披露し、最後は肩を組んで「母さんのうた」「ふるさと」を合唱。もの作りへの熱い思いが会場にあふれました。


 “仲間増やしたい”ひと言発言

鈴木とし(静岡)

 ものを作ってこそ農民。多少の貧しさには負けないで、家族の輪を大切に、前向きに、明るく生きていく決意を新たにしました。

寒川敏子(北海道)

 討論では、農民連の女性部ならではの発言で、他の会議では味わえない雰囲気でした。帰ったら、仕事ばかりでなく、楽しい企画も考え“楽農”センターにしていきたいと思います。

横林さつき(熊本)

 今回初参加。全国の元気ある発言を聞き、やはり前向きに考えて、現状を打破していかなければと感じました。私たちも、一人では何もできないけど、仲間と力を合わせれば色々な道が開けてくるし、そういう面を生かして仲間を増やしていきたいと思います。

(新聞「農民」2003.2.24付)
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2003年2月

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