「農民」記事データベース20021028-560-03

米・農業を守ろう

棚田で多彩なとりくみ――奈良

食健連グリーンウェーブ行動スタート

 「米つぶし、農業つぶしを許すな!」――全国食健連のグリーンウェーブ行動が、全国各地でスタートしました。新聞「農民」号外や「米・農業を守る」署名を持って、農協や自治体を訪問。シンポジウムや学習会、収穫祭など多彩なとりくみが進められています。


 黄金色の稲穂が秋風になびき、彼岸花が真っ赤に棚田を染める明日香村稲淵で、九月二十二日、奈良県食健連(「国民の食料と健康、農林業を守る奈良県連絡会」)主催の「あすかの棚田で考えよう―食の安全と私たちの健康」と題する集いが開かれました。

 地元の稲淵総代の岡本直義氏が「棚田を守ることに生きがいを感じている。農業を守るために力を合わせましょう」と歓迎のあいさつ。竹島茂直事務局長の活動報告の後、「日本の伝統食を考える会」の宮本智恵子代表が記念講演を行いました。

 「青空の下で、しかも田んぼの真ん中で話すのは、八十年の人生のなかで初めて」と宮本さん。「日本の風土に根ざして受け継がれてきた伝統食が“世界一の長寿国”を作り出した。地域で生産された安全で新鮮な旬の食材を食べることが基本」と力説。百人を超える参加者が真剣に耳を傾け、「できるだけ地元の農産物を病院給食に使いたい」「新婦人の産直をもっと広げたい」「これからも低農薬での“ものづくり”にがんばる」などの発言がありました。

 会場横の、通称「案山子(かかし)ロード」と呼ばれる農道では、七十体近い案山子が並び、この日だけでも約五千人の観光客が訪れて、農民連の組合員が準備した柿・梨・ブドウや新米おにぎりなども、あっと言う間に売り切れ。

 民医連の栄養士さんらによる「食生活バランスチェック」や農民連の「ニセ新米チェック」などにも多くの観光客が参加。食の安全を求める署名も百近く集まり、大阪から来た女性は「農業を守って自給率を高めることが大切」と署名。「米つぶし許さない」の「農民」号外も飛ぶようになくなりました。

 また、案山子ロードには、食に関する様々なパネルが展示され、小さい子ども連れのお母さんは「ハンバーガーはもう食べさせません」ときっぱり。食についての不安や関心の高まりを実感した集いでした。

(奈良県農民連 森本吉秀)

(新聞「農民」2002.10.28付)
ライン

2002年10月

農民運動全国連合会(略称:農民連)
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224

本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
Copyright(c)1998-2002, 農民運動全国連合会