食健連運動発祥の地―長野県佐久地方で草の根の取り組み 交流
全国食健連二〇〇二年度全国代表者・活動者会議食健連運動発祥の地、長野県佐久市で十月五日から二日間、全国食健連二〇〇二年度全国代表者・活動者会議が開かれ、十九都府県から百十八人が参加しました。
相次ぐ食の事件怒りを力に変え主催者を代表して西川征矢全労連副議長が挨拶した後、長野県食健連会長の小林節夫さんが「佐久はアメリカン・トレイン反対の運動を機に、食健連の運動がスタートした地。地域医療の運動を背景に食健連が生まれ、地域から発展してきた。これからも草の根から運動を広げていきたい」と歓迎の挨拶を行いました。 事務局団体を代表して報告を行った坂口正明食健連事務局長は「この間相次いだ食の安全・信頼を損なう事件の背景には、安全を二の次、三の次にしてきた企業モラルの崩れと、それを支援する行政の姿勢がある。実態をよく学習し、知らせれば怒りがわく。展望を示して怒りを力に変えよう」と呼びかけました。 続いて真嶋良孝農民連副会長が、新聞「農民」号外をもとに特別報告。政府が進める米政策の見直しについて五つの角度から問題点を整理し「米の生産がなくなってもかまわない、輸入すれば良いという立場からの見直しだ」と批判しました。
米守る運動など多彩な取り組み討論では、米を守る運動を進める決意とともに、各地の多様なとりくみが語られました。障害児教育に携わる長野県教組の原金二さんは「少子化時代といわれているなかで障害児の数が増え続けている。地元の農産物を使った心と体を育てる学校給食の運動を進めたい」と発言。新婦人の高田公子副会長は「五つの離乳食メーカーを訪問し、食材にぜひ安全なものをと要請した。昨年、残留農薬が検出された和光堂では、『安全確保策を検討して行き着いた到達点は国内産』という回答を得た」と報告しました。さらに、学校給食で県産小麦一〇〇%のパンを実現した埼玉県食健連の松本慎一さんは「国産小麦でパンはできないと拒否していた県に対し、食健連として県産小麦一〇〇%のパンを持ち込んで交渉した。駅頭でも県産小麦一〇〇%のパン千個を配布して宣伝したところ市民の反響が広がり、県の態度が大きく変わった」と粘り強い活動の大切さを強調しました。 夕食交流会では、佐久食健連が準備した、佐久地方の十二品目の食材と、地域に十八軒もあるという造り酒屋から取り寄せた地酒などが並べられ、参加者は豊かな味覚を堪能。お年寄りや障害者が着やすく、おしゃれな服のリフォームに取り組んでいる「つくしの会」によるバリアフリーファッションショーも行われ、参加者の注目を浴びていました。 二日目のまとめでは、十二月四日に東京・日比谷野外音楽堂で開催する米を守る大集会に向けて全国で運動を強めることを確認し、閉会しました。
(新聞「農民」2002.10.21付)
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[2002年10月]
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