「私にもできる」報告いきいき…もの作りへの熱気があふれる加工交流会農民連女性部
「これなら私にもできる」――農民連女性部主催の加工交流会が、九月二十九・三十日、東京都内で開かれ、全国から七十人が参加しました。三年前の第一回以降、各地で発展している加工の取り組みがいきいきと報告され、笑いあり、感動あり、質問攻めあり、「ものづくり」の熱意あふれる母ちゃんパワーで大いに盛り上がりました。 交流会では、産直協事務局長の齋藤敏之さんの報告に続いて、農民連食品分析センターの石黒昌孝所長が講演。多くの食料がノーチェックのまま輸入され、加工食品となって国民の口に入っていること、実際に冷凍野菜などから残留農薬が検出されたことなどを紹介し「生産者の顔が見える私たちの農産物を大いに加工して、国産を求める国民の声に応えよう」と呼びかけました。 経験発表では、十七例の取り組みが報告されました(一覧参照)。資金の借り方や公的補助の受け方、保健所の認可の取り方などに質問が集中したほか、販売先をどう開拓したか、値段の付け方、加工にかかる労賃の問題など、具体的で熱心な経験交換が相次ぎました。
加工所も建てた米の加工(千葉)香取さん米を四ヘクタール作っており、あられ、餅、おこわなどに加工。今年は有機栽培に挑戦し、三反三畆で三十三俵とれた。今日の朝市で有機米として十キロ五千六百円で五俵分、予約が決まった。今年から転作をしなくても近代化資金が借りられることになり、味噌加工所の資金を借りるため、ただいま加工での実績作りに奮闘中。七年前に、菓子製造業と味噌製造業、飲食店業の許可をとり、最初は六畳のプレハブを約百万で作った。でもだんだん狭くなり、五百万円(建物だけで)で加工所を建てた。近代化資金なら五百万円借りても金利一パーセント、五万円で済み、十二年払いで年間三十万円で借りられた。公的な資金を借りるのは、時間も手間もかかるが、女性が加工に取り組むうえでは大切な助けになると思う。
近所からも好評コンニャク(茨城)市川さん週二回、二〜三キロずつ(一キロで約二十個できる)、自家製生芋でコンニャクを作り、農民連の直売所(東京と地元の二カ所)と農協の直売所に出している。売り値は一個百五十円。配送と手数料が二割引かれる。原価や包装費、運賃、労賃など値段をつけるのがとても難しい。加工所は十年前に、保健所に足しげく相談に通って建て、餅加工の許可をとったが、その後県条例が変わり、今はコンニャク、麹、粉製品、黄粉などは販売許可がいらなくなった。保健所ではまず何を加工したいかを聞かれ、懇切丁寧に指導してくれるので、まずは保健所に相談するとよい。 悩みは、コンニャクを腕でこねると重労働過ぎることで、現在体を壊して療養中。お客さんから「いつ再開しますか」と言われ困っている。意外にも、技術もおいしさも知っているが自分で作ったら多すぎるという近所の農家のお母ちゃんに好評で、とてもうれしい。
(新聞「農民」2002.10.14付)
|
[2002年10月]
農民運動全国連合会(略称:農民連)
本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224
Copyright(c)1998-2002, 農民運動全国連合会