「農民」記事データベース20020923-555-10

旬の味


 稲刈り間近。一面の穂波が田んぼにゆれる。しかし、実りの秋を不安にさせているのが無登録農薬問題をめぐる県の対応だ▼「今年はもうダメだ。誓約書をつけても買う人なんかいない。ラ・フランスは季節のあいさつで贈答用にするものだが、気が引けて使えない。毒を売っているみたい」。これが農業県を自負する県知事の発言かと耳を疑う。農家が風評被害の防止に必死になっている時に、県産農産物のイメージをいっきに悪化させている▼十一年前にすでに無登録農薬が販売されているという通報があった。県は七回も立ち入り検査をしたが、証拠が得られず対応しなかった。発ガン性が指摘される無登録農薬を昨年二月に検出していたのに公表せず、しかも報告書から削除した。県の不適切な対応が今日の事態をまねいた。それなのに反省もせず、県内農業を守る役割を果たそうとしない▼県知事は即時に発言を撤回し、謝罪すべきだ。同時に、検査費用は県が全額負担するなど、農家が一刻も早く安心して生産、出荷できる対策をとるべきだ。

(巌)

(新聞「農民」2002.9.23付)
ライン

2002年9月

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