「農民」記事データベース20020916-554-02

長野県知事選

“これで県の農業変わるぞ”

県農民連も支援した田中氏の再選


 「うゎー、もう当確だ。これから長野県の農業が変わるぞー」――。九月一日、信州北部農民組合豊野支部で、巨峰の出荷を打ち合わせている最中に、テレビのテロップを見ていた菊地信行さんが叫びました。

 この日は、全国注視の長野県知事選挙の投票日。長野県農民連が「県民の会」に加わって支援した田中康夫氏が、見事再選を勝ちとりました。早めに打ち合わせを切り上げた六人の組合員も「これで農家も元気が出るぞ」と口々に言いあい、翌日も集落のあちこちで、農家の母ちゃんたちが「よかったねぇ、大量得票だ」と立ち話をしていました。

 県民の声を聞き、公約実現

 田中氏は知事当時“車座集会”を各地で開き、県民の声を直接聞いてまわりました。とくに栄村を訪ねたときは、同村の「田直し事業」(農民の目線で行う小規模土地改良事業)や「ゲタ履きヘルパー制度」(村民が一体となった介護制度)を見て、“これが長野県のモデル”と、公約の柱に掲げました。農民連栄村支部の山岸正司さんは、「村民と村長が作りあげてきた雪深い過疎の村の施策が、長野県全体のものになりうれしい」と語ります。

 また田中知事は、BSE対策として、全国に先駆けて県産牛肉のトレーサビリティシステムを作り、畜産農家支援の無利子融資を行うなど、公約を実現してきました。

 地域で要求を積み上げて

 長野県農民連は、「公約どおり県民の目線で県政を進める知事を、県議会多数派(県政会、政信会、県民クラブ、社会県民クラブ)が『不信任』にしたのは道理がない。古い利権あさりの県政への逆戻りは許されない」と、緊急役員会で田中氏支持を決定。そして知事再選のために、県政報告会を開いたり、田んぼや畑で農民との対話を重ねてきました。

 いま県内の農民組合は農民の要求を集める支部・単組の会議を開いています。その要求を、組合として実現するもの、市町村に要請するもの、農協などと懇談するもの、県に持ち込むものに分けて、実現をめざす運動を進めています。九月十日には、これをもとに県農政部長と懇談しました。

 長野県農民連は、地域から運動を盛り上げて、長野県農業を前進させるためにがんばっています。

(長野県農民連 山下始胤)

(新聞「農民」2002.9.16付)
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2002年9月

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