長野県知事選“これで県の農業変わるぞ”県農民連も支援した田中氏の再選
「うゎー、もう当確だ。これから長野県の農業が変わるぞー」――。九月一日、信州北部農民組合豊野支部で、巨峰の出荷を打ち合わせている最中に、テレビのテロップを見ていた菊地信行さんが叫びました。 この日は、全国注視の長野県知事選挙の投票日。長野県農民連が「県民の会」に加わって支援した田中康夫氏が、見事再選を勝ちとりました。早めに打ち合わせを切り上げた六人の組合員も「これで農家も元気が出るぞ」と口々に言いあい、翌日も集落のあちこちで、農家の母ちゃんたちが「よかったねぇ、大量得票だ」と立ち話をしていました。
県民の声を聞き、公約実現田中氏は知事当時“車座集会”を各地で開き、県民の声を直接聞いてまわりました。とくに栄村を訪ねたときは、同村の「田直し事業」(農民の目線で行う小規模土地改良事業)や「ゲタ履きヘルパー制度」(村民が一体となった介護制度)を見て、“これが長野県のモデル”と、公約の柱に掲げました。農民連栄村支部の山岸正司さんは、「村民と村長が作りあげてきた雪深い過疎の村の施策が、長野県全体のものになりうれしい」と語ります。 また田中知事は、BSE対策として、全国に先駆けて県産牛肉のトレーサビリティシステムを作り、畜産農家支援の無利子融資を行うなど、公約を実現してきました。
地域で要求を積み上げて長野県農民連は、「公約どおり県民の目線で県政を進める知事を、県議会多数派(県政会、政信会、県民クラブ、社会県民クラブ)が『不信任』にしたのは道理がない。古い利権あさりの県政への逆戻りは許されない」と、緊急役員会で田中氏支持を決定。そして知事再選のために、県政報告会を開いたり、田んぼや畑で農民との対話を重ねてきました。 いま県内の農民組合は農民の要求を集める支部・単組の会議を開いています。その要求を、組合として実現するもの、市町村に要請するもの、農協などと懇談するもの、県に持ち込むものに分けて、実現をめざす運動を進めています。九月十日には、これをもとに県農政部長と懇談しました。 長野県農民連は、地域から運動を盛り上げて、長野県農業を前進させるためにがんばっています。 (長野県農民連 山下始胤)
(新聞「農民」2002.9.16付)
|
[2002年9月]
農民運動全国連合会(略称:農民連)
本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224
Copyright(c)1998-2002, 農民運動全国連合会