「農民」記事データベース20020909-553-07

夏祭りツアー

都会の労働者と手をつなごう

山形・庄内産直センター


 「都会で働く労働者と手をつなごう」――山形・庄内産直センターは八月九日から十一日まで夏祭りツアーを行いました。産直センターが関わった団体に呼びかけた結果、東京、神奈川から全農林東京地方本部、明治書院労働組合、神奈川農畜産物供給センターの「手をつなぐ会」、全教の栄養職員部、神奈川・苗場保育園関係の演奏家グループなど多彩なメンバー三十六人(子ども含め)が参加しました。

 参加者は到着すると直ちに畑へ直行。地元特産のだだちゃ豆(枝豆)、スーパースイート「きぼう」(トウモロコシ)の収穫を体験。だだちゃ豆を引き抜くのに思いのほか力がいる作業に全員が汗だくに。採れたてのトウモロコシを茹でて食べると「甘くておいしい」と感激の声。だだちゃ豆は「独特の味と香りがよい」と大評判。

 一日目の夜は夕食交流。家族で参加した全農林東京地方本部の田沼繁副委員長は「佐藤さん(庄内産直センター専務理事)と東京で話し合ったのがきっかけで、このツアーが実現した。きてよかった」、「手をつなぐ会」の花岡けさよさんは「新庄(山形)の出身だが、庄内にはあまり来たことがない。懐かしい思いで参加した」とあいさつしました。

 二日目は元高校教師の青山崇さん(庄内農民センター事務局員)をガイド役に庄内一円の探索。鶴岡市出身の作家・藤沢周平、酒田市出身の写真家・土門拳、俳人の松尾芭蕉らの足跡を訪ねました。

 夜は産直センター恒例の夏祭り。組合員が朝から会場の設営や食べ物、飲み物を準備をしてお待ちかね。センターの渡部正一代表理事が歓迎あいさつ。地元の高校生による太鼓の演奏がオープニングに花をそえます。

 十六人が参加した明治書院労働組合の上西仁委員長は、自らも不当解雇され会社側と争っているなかで、産直センターの物品を販売して活動資金にあてている経過を報告。急遽、闘争カンパを訴えたところ、約三万円が集まりました。上西委員長は「庄内の米を一生食べていきます。これからもよろしく」と言うと、産直センター組合員が「一生米を送り続けるぞ」と互いに力強いエールが飛び交いました。

 農業が苦境に立たされている今、都会で働く労働者はそれぞれ抱える苦難とたたかい、私たち農民を励ましてくれています。日本の農業を守る根はしっかりのびていることを実感しました。

(庄内農民センター 菅井巌)

(新聞「農民」2002.9.2・9付)
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2002年9月

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