旬の味
今年になってもう何回ビーバーで畦草を刈ったことか。そのつどルーサン(アルファルファー)を刈り残した。家内からは「どうして残すの?」と詰問される▼実はもう四十数年前、乳牛の子牛を飼い始めた頃、水田の大きな畦にオーチャードやチモシー、ルーサンなどを試作したことがある。三十数年後、水田の基盤整備事業でこれらの牧草類は絶えてしまった。ところがルーサンだけが雑草化して田の隅に残った▼試作して驚いたことは、梅雨が明けると、刈ったら最後その年は牧草はもう決して伸びなかった。夏の暑さに耐えられないのだ。その時はじめて、牧草類はもともと輸入されたもので、夏涼しくて雨が降らないヨーロッパのものだったということに気づいた▼夏暑くて雨が多いモンスーン地帯とヨーロッパの違い! 稲と牧草。米と肉。作物も食べ物も違うわけだ▼牧草が適するのは日本では北海道ぐらいのもの。そのルーサンが雑草化して佐久のわが畦に生き残っている! 牧草は農業立地論のわが教師。刃先も鈍るというものだろう。 (節)
(新聞「農民」2002.8.26付)
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[2002年8月]
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