殺すより、増やさない害虫防除 (16)
各野菜の害虫 ニンジン、ゴボウニンジン、ゴボウの害虫にはアブラムシ、ネキリムシ、ヨトウムシ、土壌センチュウ類のほか、次の害虫があります。
サビヒョウタンゾウムシ(1)見分けかた成虫はヒョウタン形をした小形の甲虫で(図〈図はありません〉)、体長七ミリくらい。全体が黒褐色で灰白色の斑紋がまだらにつき、土の中では見つけにくい虫です。 ふつう、年一回の発生で、四月初め頃から現われ、野菜の発芽と同時に子葉を先端から食害するため、発芽不良になります。また、葉を周辺部から丸く食害し、生育不良にして品質・収量を落とします。 なお、トンネル栽培では、二月頃から被害のでることもあります。 幼虫は、老齢になると体長一センチ、乳白色で頭部は淡褐色です。体側から見ると半月形です。 野菜の細根を食害するほか、根身部(こんしんぶ=収穫する部分)の表面近くを食い歩き、不規則な穴をあけます。 なお、根物野菜は生育中のキズ跡が収穫物に残りますが、生産と消費をつうじて外見にとらわれないようにしたいものです。 (2)防ぎかた この虫のように、土壌中に住み、年一回発生するものは防除が難しい。これから作付する畑に必ずしもこの虫が多いとはかぎらず、予防措置がむだになることもあるからです。 (1)根物野菜と種類の違うイネ科作物などと輪作する。 (2)ラッカセイ、大・小豆、ウリ類、サツマイモ、タバコ、ムギの後には、ニンジン、ゴボウの作付をさける。 桑山洋三(農の会会員)
(新聞「農民」2002.8.26付)
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[2002年8月]
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