「農民」記事データベース20020826-552-02

第四十八回日本母親大会 in 福岡

二万人余の参加、食に高い関心

関連/偽表示・輸入野菜テーマに


 第四十八回日本母親大会は福岡県で開かれました。七月二十七日に分科会、二十八日に全体会が行われて、のべ二万五百人が参加。農業と食料の分科会の会場は、通路まで使っても入りきれないほど集まり、関心の高さを示しました。

 「食品行政がいつも後手後手に回っている」(主婦連の清水鳩子さん)、「輸入冷凍食品に違反の残留農薬を検出」(農民連分析センターの石黒昌孝さん)、「産直の原点は生産者と消費者の感動の共有」(下郷農協の横山金也さん)、「日本農業を守るためにともに運動を」(宮崎県連の村尻勝信さん)とパネリストが報告しました。

 会場からは「子どもに本物の食育を」など学校給食の取り組みや「消費者はもっと米と大豆を食べよう」との発言。全国一般労組員が「皆が安全なものを食べられる一律最賃制の実現を」と訴えました。農家の参加者も多く、農業では生活できなくなり、働きに出ている人からは農政への怒りの声が出されました。

 十年来、直販組合を組織して山間地農業を守る夫を支えて奮闘する人や都市化の中でも産直で頑張る若い人の発言は参加者を勇気づけました。

 農村のお母さんの交流会

 二十七日夜には、農村のお母さんの交流会が開かれました。地元の福岡・若宮農民組合をはじめ、佐賀、熊本、鹿児島の元気印のお母さんたちや男性たちも集まり、六十三人が参加しました。

 食事をとりながら自己紹介。「母親大会までは草刈が大変。来れるかどうか迷っていましたが、また帰ってから頑張ります」「八月初めには直売所をオープンさせたい」などの発言が。

 熊本から九人が参加し「この大会を機に八月二十四日に女性部を結成する」との決意に大きな拍手が送られました。

(高橋マス子)


偽表示・輸入野菜テーマに

秋田市でシンポ

 「秋田のいのちと農を考える会」(佐藤喜作会長)は七月二十一日、秋田市文化会館で第二十回シンポジウムを開き、主婦、農民、研究者など約五十人が参加しました。

 農民連食品分析センター主任研究員の八田純人氏が「食品分析室からみた輸入野菜の実態」と題して記念講演。中国産冷凍ホウレン草、エダマメなどから基準値を超える殺虫剤が次々検出された経過と内容を報告。農民連が分析結果を発表してから厚労省が検査を開始したことや、商社の開発輸入の実態、国の検査のずさんさを指摘し、「国産野菜は安全性や栄養価でも優れている。今後も国民の健康を守るために輸入食料をチェックし、重金属汚染の実態にもメスを入れていく。日本の食と農の再生のために消費者と生産者を結ぶ役割を果たしていく」と決意を表明しました。

 「食品の偽装表示」について講演したのは丸果秋田県青果株式会社の高橋良治社長。高橋氏は、なぜ食品偽装が起こったかという疑問に対して「偽装しなければ儲からないから」と直言。「その背景には大スーパーから要求される五定(じょう)主義(定品、定質、定形、定量、定価)がある。納品業者は配送センター利用料などの財政負担を強いられ、安い価格で納めるために産地偽装や安い中国産の供給に走っている」と実態を明らかにしました。

 そして高橋氏は今後、卸売市場として安心、安全、新鮮、美味の四条件で農産物を供給していくと抱負を述べました。

(秋田県連 佐藤長右衛門)

(新聞「農民」2002.8.26付)
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2002年8月

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