「農民」記事データベース20020812-551-14

演劇

「青春デンデケデケデケ」

創立60周年記念公演の締めくくり〔文学座〕


 劇団文化座は創立60周年を迎えており、その記念公演の締めくくりとして、この夏「青春デンデケデケデケ」を上演します。

 この作品は93年に東京・下北沢の駅前劇場で初演され、その後、全国公演をつづけ、すでに三百回をこえるステージを重ねてきました。四国の地方都市を舞台に、高校生たちのロックに賭けた熱い青春が描かれています。原作は芦原すなおの直木賞受賞小説。小松幹生脚本、佐々木雄二演出。

 いまや中年になっている藤原竹良(ちっくん)が故郷である香川県の観音寺市に帰ってきました。寺の跡とりの合田富士男、魚屋のおやじ白井清一ら、かつてのバンド仲間と会います。そのうち、彼らは大人の服装から高校時代の学生服に着替えていきます。そして、物語は六〇年代へと回想していきます。デンデケデケデケはもちろんベンチャーズに代表されるエレキギターの響きです。ロックバンドの結成や演奏活動、さらに恋や友情など青春群像が、音楽の生演奏とともにダイナミックに展開されていきます。

 演出の佐々木さんは「初演のとき、客席に40代、50代の男性が多いのに驚きました。下北沢に集まる若者たちと、お父さんたちが、狭い客席で泣いたり笑ったり、一つの演劇空間を共有しあっていたのです。僕はこのことだけで、この芝居をつくってよかったと素直に思いました」といいます。

 今回は出演者に新しいメンバーも加わり、初演からのエネルギーを持続、演奏水準も高くなり、さらに深みも増してきています。出演は津田二朗、佐藤哲也、鳴海宏明、橘憲一郎ほか。

(鈴木太郎)


 *8月28日〜9月8日、東京・下北沢・本多劇場。連絡先=文化座・電話03(3828)2216

(新聞「農民」2002.8.12付)
ライン

2002年8月

農民運動全国連合会(略称:農民連)
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224

本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
Copyright(c)1998-2002, 農民運動全国連合会