「農民」記事データベース20020812-551-11

産直ボックス丸ごと使って

HAPPY料理

料理研究家 吉田文子さん

関連/京都産直センター


 京都産直センターのBOXは三品の京都ならではの野菜が入っていました。四十cmもの長さがあり、サクッとした葉ざわりがおいしい「四葉(スーヨー)きゅうり」、麺類の薬味にぴったりな「九条ねぎ」、辛くなく、細長いコクのある味のピーマンといった感じの「万願寺とうがらし」です。

 毎回思うのですが、全国からの野菜BOXは初めて使う野菜があり、どきどきワクワク。協力してくださる産直センターの皆さん、農家の皆さんに感謝しながら料理を作らせていただきます。

 他はトマト、じゃが芋、玉ねぎ、なすび、ピーマン、オクラ、の九品千四百七十円です。


 ●1日目

*オクラ、トマト、とうもろこしを乗せた豆乳寒天よせ*
*玉ねぎのロール揚げ*
*きゅうりと万願寺とうがらしのサラダ風即席漬け*

 万願寺とうがらし100gを種ごと5mmの厚さの輪切りにして100ccのしょうゆにつける。(瓶などにたくさんつけておくとよい。室温で長期間保存可能。その場合はしょうゆ多めに)10分ほどおき、小鍋にあけ、砂糖50g、酢100ccを加えて沸騰するまで加熱して、火を止め、8mmの厚さに輪切りにした四葉きゅうり2本(350g)を加える。粗熱がとれたら汁をのぞき、お皿に移して冷蔵庫で冷やす。汁は翌日めんつゆに利用すつので別に冷蔵庫で保存しておく(汁をもう一度煮立て、その汁の中にきゅうりを漬けると、きゅうりがサラダ風↓浅漬け風↓しっかりした味の漬物へと変わっていくので、味の変化を楽しみながら3回くらい漬け直すのもおいしい)。

 ●2日目

*九条ねぎたっぷりの冷麦*

 昨日のきゅうりの漬け汁にしょうが汁を加えて麺つゆにする。豚薄切り肉200gを少々の和風だし汁の中でしゃぶしゃぶのように火を通し、お皿の上に広げておき(水にとらない)、ビニール袋に入れた氷水を乗せて冷やす。九条ねぎ100gを斜め薄切りにする。

 冷麦を茹でて冷水で冷やしてお皿に盛り、豚肉を乗せた上から麺つゆをかけ、ねぎをたっぷり乗せる。きゅり漬けが残っていたら乗せる。豚肉でねぎをたくさんくるんで食べるとおいしい。

*トマトサラダ*

 ●3日目

*万願寺とうがらしの桜海老炒め(冷やして冷奴にのせて)*
*酢豚(ピーマンと玉ねぎをたっぷり)*

 ●4日目

*魚のソテー・ラビゴットソース(トマトとたまねぎ使用の冷たいソース)*
*3味フライドポテト(カレー味・桜海老味・コチュジャン味*

 ●5日目

*細切りじゃが芋のサラダ・卵たっぷりマヨネーズ*
*焼きナスの寒天よせ*

 今回は五日で使いきりました。バテやすい夏こそ、野菜たっぷりのさっぱりメニューで食欲増進をはかりましょう。


京都産直センター

京野菜は美味しい逸品ぞろい

 朝五時には、万願寺とうがらしの収穫作業、朝食を終えて袋詰め、そして納品。午後は、黒豆の早生枝豆の“たんくろう”の収穫、豆ちぎり、袋詰め。栗林芳雄さんの夏は、休む間もなく毎日が過ぎていきます。奥さんと二人、この日は近所の人の手も借りての作業。退職後の気楽な農作業のはずが、気が抜けないうえに、割りの合わない重大な作業になりました。栗林さんの住む亀岡市に京都産直センターが京都市内から引っ越してきたのが九三年。栗林さんと産直運動の関わりは四半世紀になろうとしています。

 新婦人の方々に安心して食べてもらえる米や野菜をと、減農薬にこだわり、手間を惜しまず、育苗から納品まで神経を使っています。鮮度の良い物を届けたいから朝採りで出すことも多いのです。

 新婦人さんとの産直が始まって十二年。京都産直センターは栗林さんのような農業を営む人々の、割りの合わない労働に支えられて続いてきたと言っても言い過ぎではないでしょう。現在では、米、野菜、豚肉、魚、牛乳、果物、ソバ、大豆、調味料や特産品を提供するまでになりました。毎週お届けする野菜ボックスは、魅力ある内容にするために地場産を中心に、時に農民連の全国のネットワークを利用して、珍しい食材を求めることもあります。

 京野菜は、種類が多く、美味しいものがたくさんあります。夏の万願寺とうがらし、黒豆の枝豆、いずれも全国の方々に自慢できる逸品ぞろいです。

(京都産直センター 尾崎修子)

(新聞「農民」2002.8.12付)
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2002年8月

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