殺すより、増やさない害虫防除 (14)
各野菜の害虫 ネギとタマネギネギとタマネギにつく害虫には、アブラムシ、ヨトウムシなどのほか、次の害虫があります。
1 タネバエ(1)見分けかた 幼虫が、吸水してふくれた種子や発芽期の芽の中身を食害します。欠株になり、発芽不良と間違えやすいですが、子葉や茎をさいて見ると中に五ミリくらいの白いウジムシがいます。幼虫を食害部から紙の上などに移し、円すい形のハエのウジムシであることを確認してください。ネギやタマネギの苗床で被害がひどいと、播き直しを余儀なくされます。 成虫は、イエバエより小型で黒く、ネギの葉切りをしていると飛んできます。 ネギ類のほか、マメ類、ウリ類、トウモロコシ、アブラナ科野菜、ニンジン、ゴボウ、ホウレンソウ、アスパラガス、緑肥作物などの種子と苗を食害します。また、ユリ科野菜に被害を与えるものにタマネギバエがあり、北海道で多く発生します。 (2)防ぎかた (1)成虫は有機質肥料が腐る時の臭い(アンモニア臭など)や未熟な堆肥の臭気に集って産卵するので、トンネルの苗床などでは臭気がこもらないようにする。また、有機質肥料は使い過ぎないようにし、未熟な堆肥は使わない。 (2)播種時期の気温と被害の多少を比較し、被害の少ない時期に播種する。
2 ネダニ(1)見分けかた 体長〇・五ミリくらい、乳白色半透明の光沢のあるダニで、主にユリ科植物の根の基部や茎皮の内側に寄生します。 高温、多湿条件を好み、春から六月頃に多く発生するほか、寄生されると根が腐り、生育がおとろえて枯れることもあります。また、生育不良株を引き抜こうとすると、地際部で茎がちぎれる場合があります。 はじめに下葉が枯れ、病気と間違えやすいので、病害虫の診断では、抜いて根を見ることも必要です。 (2)防ぎかた (1)酸性土壌は石灰で中和する。(2)ユリ科以外の農作物と輪作する。(3)ワケネギの苗は、枯れかけた葉と茎皮をむいてから植え付ける。 桑山洋三(農の会会員)
(新聞「農民」2002.8.5付)
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[2002年8月]
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