世界食料サミットとNGOフォーラムの報告会東 京
ローマで開かれた世界食料サミット五年後会合とNGOフォーラムの報告会が、七月十三日、東京・日本青年館で開かれました。フォーラムに参加し、世界のNGOと交流した農民連の真嶋良孝副会長、食健連の坂口正明事務局長、伊庭みか子さん(安全な食と環境を考えるネットワーク事務局長)が報告。約六十人が参加しました。 食料サミットの特徴について報告した真嶋氏は、「飢餓から開放される権利」という文言を宣言に盛り込むことに、ただ一国反対し、遺伝子組み換え食品の普及を最優先にしたアメリカを厳しく告発。また、フォーラムの様子を紹介した坂口氏は「アジアの参加者や、女性、先住民の元気な姿が目立った」と述べました。 続いて伊庭氏は、食料主権を国際法上も明確にしようという世界の農民組織、NGOの運動を紹介。WTOが食料主権を侵害しているという報告書が国連人権委員会にあがっており、国際法廷でWTOを裁く運動も進んでいるといいます。 伊庭氏は、「多くの途上国の食糧事情は、六年前と比べるとむしろ悪化している」として、「WTOや多国籍企業が、貧しい国々の農民が自ら食べる食料を作る権利を奪っている」と批判。そのうえで、「今回のフォーラムには、途上国の農民が多く参加した」と、六年前のサミットと比べての特徴を述べました。 報告会の会場には、「種、水、土、収穫」をイメージしたフォーラムの旗や、スローガンの「WTO Out of Agriculture(WTOは農業から手を引け)」と書かれた横断幕がはられ、フォーラムの雰囲気を伝えていました。
(新聞「農民」2002.8.5付)
|
[2002年8月]
農民運動全国連合会(略称:農民連)
本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224
Copyright(c)1998-2002, 農民運動全国連合会