地域から国民的運動展開を全国食健連第13回総会の討論から
国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会(全国食健連)の第十三回総会が、五月十八〜十九日、東京・品川区で開かれました。BSE問題や食品の偽装事件、輸入農産物の残留農薬問題など、食の安全が国民の関心の的になるなか、食健連運動の重要性があらためて浮き彫りになりました。 一年間のとりくみを振り返って報告した坂口正明事務局長は、「セーフガードの本発動を求めるたたかいやBSE損害請求運動、輸入野菜の危険性の告発などを通じて、食健連、農民連という名前が、マスコミに知れわたった」と強調。「地域の諸団体、自治体などを巻き込んだ国民的な運動を展開しよう」と呼びかけました。 討論で「心と体を育てる食材を使うことは非常に大事なこと」と発言したのは、埼玉県で養護学校の栄養士をしている中原圭子さん(全教栄養職員部)。生徒が作った農作物や保護者から寄せられる四季折々のもので学校給食を作る中原さんは、「それが私の自慢」と述べました。一方、農家の立場から学校給食米のとりくみを発言した山形・田川食健連の佐藤光雄さんは、「未来を担う子どもたちに日本の米の味を覚えてもらいたい」と語りました。 「いい食品を作るネットワークを作りたい」と語ったのは、雪印食品一般労組の大原弘治さん。労働者を徹底的に差別し、「バレなければ何をやってもいいという」会社の体質を告発。不正をチェックする労働組合の役割を強調しました。 県の母親大会を準備するなかで、大きな期待を寄せている商店会長の様子を紹介した茨城農民連の吉川路子さんは「地域に根ざして生活している人の声をもとに、元気な街づくりにとりくんでいきたい」と発言。地域のスーパーと懇談した新婦人東京都本部の宮さんは、「『地域に信頼されるスーパーになりたい』という声も多く寄せられた」と報告しました。 日本AALA(アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会)の幸野尭副理事長は、非同盟諸国首脳会議に向けて準備されているコミュニケに、初めて食糧安全保障の項目が立てられたことと、その中でWTOを批判していることを伝えました。
(新聞「農民」2002.6.3付)
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[2002年6月]
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