野菜や果物が消費者に大人気“生産者どんどん増やしますよ”和歌山・紀ノ川農協の直売所「ふうの丘」オープン
和歌山県の紀ノ川農協の直売所「ふうの丘」が六月三十日に開店しました。六年間続けてきた日曜朝市を直売所にリニューアル。朝九時から夕方五時まで火曜日の定休を除き、週に六日間、店を開いています。 開店セールはおおくの人出で大にぎわい。目玉商品の一つがトウモロコシ「スーパースイート未来」。紀ノ川農協青年部が、開店に合わせて栽培した三千本は完売。 トウモロコシの隣では、三・六メートルの長さの陳列台でスモモ袋詰め放題の三百円コーナー。おばさんたちが「もう一つのせられないか(入らないか)」などと、楽しそうに買い物していました。 直売所ならではの商品が「過熟の桃」(二キロ箱)。一箱三百五十円のこの桃は、選果の際に過熟のためにはねられたもの。箱詰めして明日消費者に届けるには熟しすぎていますが、すぐ食べるにはもってこいの桃。開店前に百箱積まれていましたが、三十分でなくなり、追加した三十箱もあっという間に売りきれました。 約七十五坪の店内に入ると、切り花コーナーに続いて、キャスター付きの陳列台に百八十品目を超える野菜や果物がきれいに並べられています。二段になっている陳列台は、幅、高さとも手ごろで、商品を見やすくするために斜めになっています。コンテナがずり落ちないようにされたり、商品の補充もスムーズに行えるように工夫されています。 また、野菜や果物の配置もよく考え、品目ごとのサイズ違いや袋詰め、ばら売り、規格外品などを揃え、いろんな料理のイメージをひろげながら楽しい買い物ができるよう工夫されています。 生産者が売りきれた品物を補充していると、他の生産者や買い物客が寄ってきて野菜談義で盛り上がりました。その光景を見ていた紀ノ川農協の松本和広専務は「これで生産者は、何でも作ることに挑戦するでしょう。どれだけ生産者が増えても、組織の力でさらに多様な販売ができる。生産者をどんどん増やしますよ」と自信を持って話します。
障害者共同作業所が入口に喫茶コーナ開店開店にあたって紀ノ川農協は、地域との協同を大事にしようと、障害者共同作業所「麦の郷」への協力を要請しました。「麦の郷」は道路と店の入り口の間に設けられた休憩場所を利用し、ジャガイモやおからを原料にしたコロッケや豊富な種類のパン、カレー、日替わり定食などの軽食・喫茶コーナーを開店しました。道路に面していることから宣伝効果があり、車で通りかかった人が買い物をするなど、お客さんの広がりに一役かっています。直売所ならではの強みを発揮しているのが「ふうふうクラブ」という消費者を組織していることです。このクラブは「自然・農業・食をもう一度見直そう」を目的に、お店の利用者に住所と名前を登録してもらい(無料)、定期的に機関紙を届けたり、月々のイベントに参加しながら会員同士の親睦をはかり、貸し農園や加工・調理教室なども開催し、それらのイベント参加の折に店に立ち寄ってもらおうというもの。 七月には、近隣の生協がトウモロコシ狩りを行うことになっています。その後も、ナシ、さつまいも、キウイ、みかん狩り等々、紀ノ川農協ならではのイベントが企画されています。 宇田篤弘組合長は「グローバル化に対抗し、地域にこだわり、農産物の販売だけでなく、学習と交流や実体験を通じ、消費者と生産者が地域農業を再生するための運動の拠点になるよう頑張る」と語っています。 (産直協 斉藤敏之)
(新聞「農民」2001.7.23付)
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[2001年7月]
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