「農民」記事データベース20010723-502-02

自民党

JR弁当 農産物輸入進める候補擁立

もうけ本位、大商社の立場むきだし


 自民党は今回の参議院選挙に、大商社・伊藤忠商事常務を立候補させています。

 「(自民党への)人材投入によって政治的影響力を保つ」という財界の方針にもとづいて「経済界代表」として伊藤忠商事常務の近藤剛氏を立候補させたもの。

 伊藤忠商事といえば、野菜から米、果物まで“ダボハゼ”のように「開発輸入」に首をつっこみ、日本農業つぶしに狂奔していることで有名な大商社。

 精米機トップメーカーのサタケや大手米卸(大阪第一食糧)と手を組んで、北京に精米工場を作り、昨年は中国米を二千五百トンも輸入。アメリカ米などを含めるとSBS米輸入は六千トンに達します。果物ではリンゴジュースやモモ缶詰の工場を山東省に作り、野菜でも青島に冷凍工場を作っています。

 しかも、暫定セーフガードが発動されたネギ、生シイタケ、畳表の三品目いずれも「関税割当」を受けたのは、業者多しといえども伊藤忠商事ただ一社。

 近藤氏の公約を見ると、「日本企業の国際競争力を強化していくために」グローバリゼーションと農産物貿易の自由化万々歳の立場。「WTO交渉を通じて物品(農産物)やサービスの貿易にかかわる障壁を取り除く」「輸出入・港湾手続きの簡素化」「国際基準に応じた食品添加物の許可基準の設定」などなど、もうけ本位の大商社の立場むきだしです(自民党本部ホームページ)。

 もう一人、JR元常務の中島啓雄氏は現職議員ですが、JRグループのNREがアメリカ産冷凍弁当を輸入し、十七日から販売していることには、ダンマリを決めこんでいます。

 一方で、開発輸入や弁当輸入のチャンピオンを公認候補にし、もう一方で、農民と国民の声に押されて暫定セーフガードを発動し、冷凍弁当輸入に「抗議」する――これでは、自民党の態度が選挙目当てのポーズにすぎないこと、政策と金だけでなく「人」まで財界に乗っ取られたことは明らかではありませんか。

(新聞「農民」2001.7.23付)
ライン

2001年7月

農民運動全国連合会(略称:農民連)
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224

本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
Copyright(c)1998-2001, 農民運動全国連合会