「農民」記事データベース20010709-500-15

文芸

新 道

尾堤輝義


老いし父籾を蒔く時生き生きと

花冷えの少しくもりし柩窓

蒲公英や新道はまだ人入れず

新道は古道にも似て木の芽萌ゆ

入口も出口も同じ花御堂

絵を描いてもってのほかの苗を挿す

葱坊主ぐらいの悟りならありぬ

折紙のくらいに飛んで黄初蝶

たわいなき母の嘘聞く置火燵

飛花残花恋愛依存かもしれぬ

朝市というより春の曙市

春昼の影より小さき男かな

(新聞「農民」2001.7.9付)
ライン

2001年7月

農民運動全国連合会(略称:農民連)
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224

本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
Copyright(c)1998-2001, 農民運動全国連合会