岩手県胆沢町「食と農業を守る集い」5党の国会議員による討論
「消費者に安全と安心を、生産者に自信と誇りを」というスローガンのもとで、「いさわの食と農業を守る集い」が、六月十七日、岩手県胆沢町の文化創造センターで開かれました。胆沢町農民組合や同町認定農業者協議会など、幅広い十四の団体で構成する実行委員会が主催したもの。稲作が中心の同町ですが、米の販売額はこの五年間に二割近くも減少。そのうえ減反が拡大されることに農家は強い怒りをもっており、約三千の農家戸数に対して、六百人が「集い」に参加しました。 メインは、自民、公明、自由、共産、社民の五党の国会議員による公開討論会(民主は欠席)。それに先立って、同町認定農業者第一号の及川一義さんが、「認定農業者になってもメリットは少なく、再認定を希望しない人もいる。日本の農業と食糧を守るためには、農業者の努力だけではどうしようもないところまで来ており、政治は早急に抜本策を示してほしい」と発言しました。 各党の違いがもっとも鮮明に表れたのは、「お米の適正価格は何円か?」という参加者の質問に対する各党の回答。金額を示したのは、日本共産党と自民党だけ。 日本共産党の須藤美也子氏は、「米価は、一俵(60キロ)一万八千五百円を最低限保障する。そのためには、五百四十億円の予算があれば可能」と明快。一方、自民党の熊谷市雄氏は、過去三年間の市場の平均価格と述べ、稲経があたかもそれを保障するかのようなゴマかしの発言をしました。 他の政党は、私見を述べる人、党の政策を読む人など、的を得ない答え。須藤氏の回答が参加者の共感を呼び、ひときわ大きな拍手が起こりました。 集いは最後に、「農畜産物の価格補償制度の拡充が緊急の課題」「ミニマム・アクセスの縮小、輸入義務の撤廃など見直しを強力に進めること」などとする「宣言。」と「決議」を参加者全員で確認。終了後には、「郡上一撲」の上映も行われました。 (岩手県農民連 堂前貢)
(新聞「農民」2001.7.9付)
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[2001年7月]
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