農民連が全国的に取り組んでいるトウモロコシ「スーパースイートきぼう」各地のレポート
栃木上尾市場に出荷ボリュームと味に期待農民連関東ブロックの先陣をきって、栃木県農民連の海老原恒夫さんのスーパースイート「きぼう」が、埼玉・上尾市場に出荷されました。70アールの畑に作付けた海老原さん。手塩にかけた「きぼう」は丸々と太っています。ベテラン農家や「きぼう」の種を扱っている野原種苗の人からも「すばらしい出来!」とほめられるほど。試しに重さを測ってみると、五百七十グラムもありました。六月二十一日の初出荷。八十三ケースのうち、四分の三は、3L・2Lです。価格は千二百〜千三百円(3L・2L)。「今年は、豊作のトウモロコシは大苦戦。そのなかで『きぼう』はボリュームと味で健闘している」と上尾市場の関係者。海老原さんは「もうちょっと高くしてほしいけど、市場も努力してくれている。農民連ブランドを浸透させるためにがんばりたい」と語っています。
山形八月上旬めざし庄内産直センター山形・庄内産直センターは、農民連が全国的に取り組んでいる・トウモロコシ「スーパースイートきぼう」をことし初めて十二人の組合員が約二ヘクタールに作り、八月上旬の出荷をめざし農作業に精を出しています。産直センターは冬の期間に「きぼう」を作ることを決め、栃木県農民連の海老原恒夫さんを講師に呼んで栽培の学習会を開いたり、種やマルチを共同購入するなど準備を進めてきました。 また、新たな取り組みとして組合員の「産直農場」(減反の転作地)に“だだちゃ豆”とともに、「きぼう」も作付けました。同農場を管理している組合員の岡村稔さんは「出荷が重なると苦労するから」と三十アールの畑に播種する日を七日間にわけて作業をしました。 庄内地方は、風が強く吹く地域です。播種を終えたマルチが風ではがされることもしばしばあり、岡村さんは苦労が絶えなかったといいます。 発芽し成長する「きぼう」と新たな作物に試行錯誤しながら取り組む農民組合員の姿は、地域の農民を励ましていると思います。 (庄内農民センター 菅井巌)
長野収穫後の作業に“希望のワザ”雑草で予行演習スーパー・スイートコーン“きぼう”を収穫した後、長いもろこしの茎葉をどう処理したらいいか?もろこしの茎葉が固い割には土に鋤込むと腐りやすいことは知ってはいましたが、茎をいちいち鎌で刈るとか細かく切ることなど厄介だなぁと、かねがね思っていたので、先頃来宅された小竹節さん(農民連常任委員・茨城県西産直センター)に聞きました――(1)トラクターのロータリーを地面すれすれに下ろして爪を回しながらバックし (2)次にそのまま前進しながら鋤込むんだ 小竹さんはこともなげに言いましたが、知らない者にとっては驚きでした。 “きぼう”のりレー出荷に参加しようと、荻原徳雄さん(県連副会長)の隣の畑を借りて“きぼう”を作っているのですが、その畑は基盤整備の換地のトラブルで耕作する者がおらず、雑草が生い茂ったままで、私の“きぼう”が日陰になったり、放っておけば雑草の種がこちらに散ることが目に見えていたし、あの炎天下での作業が思いやられたので、関係者に了解を得て刈り倒そうと思っていた矢先のことでした。 「モロコシが鋤き込めるなら、この雑草もできるかもしれない」と予行演習のつもりでやってみました。 写真1〈写真はありません〉は(1)の作業です。はじめは「地面すれすれに」というよりは根が抜けるくらいの方がいいのではないか――と思ったのですが、それは失敗でした。(1)の作業はあくまでも草を倒し・ロータリーの爪で髪の毛を梳かすつもりでいいんだということが分かりました。でないと、きれいに鋤込めないし、根が抜けた雑草は(2)の作業のときロータリーに巻きついて困るのです。 写真2〈写真はありません〉はあの雑草を見事に鋤込んでいく情景(トラクターの後方の地面)です。これで収穫後の作業に希望が出てきました。 北に噴煙を上げる浅間山、南に八ヶ岳や蓼科山を見ながら、「これなら、モロコシの後始末もできるが、荒れた畑をみんなで借りて何か作ろう――という場合にも応用できるな」などと思ったり、“きぼう”もあと十数日で穂が出て、八月の盆前の値のいいときに出荷できるのではないかと、皮算用をして仕事に励んでいます。 (佐久・小林節夫)
(新聞「農民」2001.7.9付)
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[2001年7月]
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