映画真相にせまる姿に共感いのちの地球「ダイオキシンの夏」
一グラムで八十三万匹ものモルモットを殺すことができるという猛毒、ダイオキシン。このダイオキシンにせまるアニメーション映画「いのちの地球・ダイオキシンの夏」が、今年八月から上映されます。 一九七六年に北イタリアの町、セベソの化学工場の爆発事故によって、大規模なダイオキシン汚染が引き起こされました。実際に起きたこの事件をもとにこの映画は制作されました。 ダイオキシンは、人類が作ろうとしてできた物質ではありません。農薬やプラスチック、塩化ビニルといった化学製品を作りだしては、燃やしたり、環境中にばらまいたりしているうちにできてしまった物質です。 ダイオキシンは、食べ物を通して脂肪に溜まりやすく、長い間かかって体に溜まる慢性毒性が深刻です。近年では、人体のホルモンのはたらきを狂わせてしまう“環境ホルモン”としても危険性が明らかになりつつあります。 この映画の主人公は子どもたち。ダイオキシンとは何か、どういう害があるのかを、わかりやすく説き明かしつつ、解決に立ち向かっていく姿勢が共感を呼びます。ぜひ一見を。 (満川)
ストーリーその日は、静かで美しい北イタリアの町セベソに住む小学校五年生の少女ジュリアの誕生日。友達や家族が集まって楽しいパーティーが始まろうとした瞬間、轟音とともに近くの化学工場が爆発。上空を灰色の煙がおおい、町の全域に白い粉が一面に降りそそぎました。やがて鳥や動物たちがバタバタと死にはじめ、子どもたちに「塩素ざそう」という皮膚炎が広がります。しかし工場の親会社は、事故と汚染の実態をひた隠しにしようとします。ジュリアと友人五人は、「セベソ少年探偵団」を結成。日本人記者安藤と協力して、白い粉に含まれる毒物の正体・ダイオキシンや、爆発の真相を突き止めようと立ち上がります。自分たちの美しい地球の未来のために――。監督 出崎哲。
▼ロードショー公開 八月十八日(土)〜八月三十一日(金)朝一回のみ上映 (新聞「農民」2001.7.2付)
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[2001年7月]
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